他人の数珠を使ってもいいの?

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※(当ブログでは、念珠=数珠として書いています。文脈上の理由などから混在することがありますが、ご了承ください)

Q:「亡くなった親の念珠を使ってもいいのですか?」
A:(長岡の見解)ぜひ使ってください。必要ならきれいに修理しましょう。

Q:「他人の念珠を借りるのは良くないことですか?」
A:(長岡の見解)仏式に合掌する意思があるのならば、(仏教的理由ではなく一般マナーとして)自分用を持つべきですね。やむを得ない場合は借りてでも使いましょう。

この類(たぐ)いの、他人の念珠を使ってもいいのかという疑問をお持ちの方は多いです。
疑問というか、「使ってはダメらしい」と漠然(ばくぜん)と考えているかと思います。

一般には、他人の念珠は使ってはいけないと言われていますが、僕の個人的な想いでは、そうは考えていません。その理由は、他人の念珠を使ってはダメという、仏教の観点から納得できる根拠(こんきょ)が見当たらないからです。

●譲り受け、貸し借りが悪い理由は?

仏教の法具としての観点ではなく、習俗やマナーがまじって、誤解があるように思います。

貸し借りが悪い理由が、「お守りだから」「それぞれの人の念が入っているから」「数珠は持つ人の分身」などということであれば、そう考えない宗派ではOKということになってしまいます。

日本人は何かと、神がかった物事に理由をつけて納得するような習慣があります。そこで、誰が言い始めたのか、様々な理由を後付けしては、貸し借りや、他人からもらたっりするものではないという習慣も生まれたのではないでしょうか。

葬儀や法事のマナーという意味では、大事な法具(仏具に対して、仏教儀式で人がつかう道具を「ほうぐ」という)を貸し借りするというのは、理屈抜きに不自然です。

僕はよく念珠の存在意義をネクタイに例えます。

大切なお得意先に会うときだけ「ちょっとネクタイ貸して」というのは、大人としてどうでしょうか。やむを得ない場合はあっても、「借りればいいから買う必要ない」というのは、明らかに怠慢だしマナー違反です。

もう一つ理由があるとすれば、過去に念珠を売ってきた業者が、「何か理由をつけなければ、次の念珠を買ってもらえない」ということはないでしょうか。「故人の念が入ってますので、使うべきではない」というのは、実にありそうな売り文句です。

人は悲しみを断ち切れません。悲しみは悲しみと受け止めて、故人の念珠も使える形にし、大切に受け継いでいくことが良いというのが、個人的な意見です。

「それだと念珠やさん儲からないでしょ」と心配してくださる方もいますが、実際のところご両親の念珠を直してまで使う方は、それとは別に立派な念珠を買ってくださる方が多いです。それに、子ども、孫にも持たせなければという意識が高いです。

「自分の念珠を持つべき、どうしてもなければその場は借りてでも使ってほしい」と思っています。神道やキリスト教の方が仏式の葬儀に参列する際は、相手に合わせて持つ必要はありません。

●念珠を次の世代へ

念珠は108個の玉をつないで・・ということは、聞いたことがあると思います。
言い伝えでは、お釈迦さまがその108個を弟子に分けたとなっております。
2分の1で54個、3分の1で36個、4分の1で27個、5分の1で18個・・・

それが、本当か作り話かはわかりません。伝説ですからね。
それでも、このような話が残っているくらいですので、次世代へ受け継ぐというのは、むしろ推奨されるべきことじゃないでしょうか。

そこから、略式念珠は「整数分の1」という習慣が今でもあります。
(習慣があるだけで、実際には数にこだわらない略式が多いです)


本式と同じ配列で54玉にした半連ブレス念珠

おばあちゃんの本連念珠をばらして、3つの子供用念珠ができました。3人の孫たちへというリフォームの仕事です。こんなとき作っている僕らまでほっこりします。


今では手に入れるのが難しい赤サンゴです。親玉にはルチルクォーツが入っています。

いずれにしても、こういったことは、誰かが言ったから正しいと鵜呑み(うのみ)にしてはいけません。他人の意見は参考にしながら、自分なりに納得できる答えを模索していくのが、一番いいと思います。

仏教っぽい(?)あいまいな理由に関しては、そう言うことで、自分の念珠を持たなければいけないなと思わせるための方便という見方もありますけどね。ただ、そのまま、まことしやか広まっているのは疑問に感じます。

念珠のことで、どうしたらいいだろうと困ったときには、どんなことでもご相談ください。
一緒に解決の道を探しましょう。

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