細かすぎて伝わらない、長岡念珠店のこだわり

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長岡念珠店のファンで、安心して買ってくださる方は、読む必要はありません。

以下、かなりオタクな内容になりますので、ご興味ある方のみどうぞ

みなさんは数珠を購入するときにどんなことを基準に選んでいるでしょうか。
玉や房の素材、色、形が目に入るところですね。

もうちょっとこだわる人だと、ちゃんと良い木材や天然石をつかっているのかといったところでしょうか。玉の加工は程度の良いものかというところまで気になれば、かなりの念珠マニアと言ってもよいでしょう。

実は、こんなこと考えています・・

先日、ピンク珊瑚の念珠をご注文いただきした。
こんな念珠です。

良いですねー。ピンク珊瑚。希少価値はどんどん上がり、じりじりと値上がり傾向です。
さて、価格の話はさておき、材料は高級材、加工も非常に丁寧なのはもはや当然です。

宗派でいうと、浄土真宗(門徒)用の女性向け(8寸サイズ)になります。
業界用語では、「八寸門徒(はっすんもんと)」と呼ばれています。

108顆の大きな輪の部分を伸ばすと8寸(約24センチ)になり、房の付け根の作り方が、浄土真宗に特化した形ということです。

インチキくさい本式の略型?

「八寸門徒」「浄土真宗用」と書かれた念珠はある程度の専門店なら珍しくないと思いますが、二輪の本式と謳いつつ、実は微妙に省略されている物が多いのです。

浄土真宗型といえば、房の付け根に玉のない「蓮如結び」の方が特徴的なので取り上げられますが、じつはこちら側が、『表』になります。

軸足の玉の配列は、つゆ玉(雫型の玉)を除くと、5個ずつ4カ所と、親玉の付け根にもう一個(浄明玉)、全部で21個使われています。

しかし、ほとんどの市販品では、4個ずつしか入っておらず、浄明玉も省略されていることが多いです。理由の程は分かりませんが、おそらくバランスの問題で、デザイン重視でそのように省略されたものと思われます。

技術的にはどちらでもお仕立可能ですが、とくに高級品では、せっかく色味のあった珊瑚がありますので、全て正式にいれて作りました。

壊れにくさに、さらなるこだわり

「安い念珠=すぐ切れる」というのは、半分正解です。そうじゃない場合もあります。
しかし、「高い念珠=切れにくい」これは完全に間違いです。

どんな高級品でもいずれ切れます。重たく大きいな天然石は、プラスチック玉に比べると遙かに切れやすいです。

それでも、できる限りの工夫はできます。形のよって最初に切れるところと言うのは大体きまっているものです。今回のピンクサンゴについては、適材適所で、伸縮性と強さがあるナイロン糸、耐摩耗に強いポリエステル糸、光沢が美しい絹糸を適材適所で見えない部分で使い分けています。

蓋を開けたときの感動から始まるお付き合い

「わ~すてき~!」と声が出れば、冥利につきます。
仏前結婚式の念珠授与に使われる念珠です。

しかし、勝負はそれから。
十分満足して頂けるくらい使い倒していただいた後、切れそうな念珠が修理に帰ってくると、とても感慨深いものです。

マニュアル化できない

どの念珠をどう作るかという組み合わせは無限にあり、「これが正しい仕立方です」などという答えには実に意味がありません。

全て同じ条件で製作できる、流れ作業の従業員を育てたいなら別ですが、あらゆるご要望と、さらに柔軟な対応が要求される修理になればなおさらです。

そうはいっても、1人では限界がありますし、いつ病気で倒れるかわかりません。
マニュアル化できないこの技術を、今後はクオリティをどう維持し人に伝えるか、自分の中では課題になっています。

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