仏具

私が念珠屋になるまで・・改め その4

どうしようもない学生時代を経て、転職を繰り返す20代も終盤にさしかかったころ、「営業職」を探し始め、偶然みつけたのが仏具の営業でした。

札幌時計台からほど近いビル、雪深い季節でした。

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私が念珠屋になるまで・・改め その3

僕がどうやって念珠屋になったのか、その経緯を徒然書いています。

なんとなく過ごした高校時代。
一人暮らしの自由さに、気ままに遊びまくった大学時代。
そして、就職するも、社会の厳しさに心折れた20代。

遡ってお読みになりたい方は、その1その2もご覧ください。

この記事では、いよいよ仏教との出遇いに近づきます。

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久しぶりに冷や汗のでる作業、荘灯芯の仕立て

ロウソクが一般的に普及する前の時代、燈明は菜種油などに芯を入れて火をつけていました。
浄土真宗本願寺派の場合は、今でも実際に火をつけるための短い芯を使いますが、大谷派では荘灯芯といって、御荘厳の道具として、輪灯や菊灯といった仏具に付けることがあります。

この度、作らせていただいたのは真宗三門徒派のお寺ですが、歴史的な背景から仏具はほぼ真宗大谷派と同じ形になります。天上から吊るした輪灯と呼ばれる金物仏具に白い輪が二つ、そして尾を垂らすように飾ります。

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脆くて柔らかいスポンジのようなもので、畳の材料となる藺草の芯を抜いて作るそうです。
おかげさまで僕も仏具を触って10数年になりますが、実は、この荘灯芯を自分で仕立てるという経験は初めてでした。飾る場所によっては適切な芯の量、輪の大きさが一番美しく見えるバランスがあります。御堂の仏具というのは実はバランスがかなり重要です。
また取り扱いが難しく、少し間違うとすぐにちぎれてしまいます。かなり苦労しましたが、何とか法要に間に合うように形になりました。この度、勉強させていただいたお寺様には大変感謝しております。おかげさまで、また一つスキルアップできました。

何事も経験ですね。扱い方の癖がわかったので、今度はもうちょっとスムーズにできそうです。

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春の浜辺で往生の素懐を遂げる

北海道と一括りに言ってもなにせ広いもので、気候は場所によってずいぶん違いますが、ここ江別、または道央圏の話をすれば、例年に比べて驚くほど雪が少なく、いつもより春が早かったという印象です。昨日は片道3時間弱のドライブで地方のお寺まで打ち合わせに行ってきたのですが、山間に入ると、除雪された道路こそ解けていますが、日陰の谷間にはまだ腰ほど積もった雪が残っていました。

こちらのお寺は、前職の時代も含めて10年ほど前からお付き合いがあり、住職さんのみならず、責任役員のWさんにも食事に連れて行ってもらったり、お酒を御馳走になったりしたものです。時々、お寺に用事があって寄るたびに、「Wさん元気にしてますか?」ということは毎回話題になっていました。「うちの寺も、あとは巻障子(まきしょうじ)が入ればなぁ・・」とよく言っていたのを覚えています。

浄土真宗各派のお寺の本堂には、巻障子という大きな折れ戸があり、建具としての意味もありますが、それはそれは結構な費用の掛かる仏具でもあります。
このたびは、予算の目途が立ち、うちの方でそういう大きな仕事をさせていただいており、昨日は、細かい部分の確認、打ち合わせが必要だったため行ったわけです。
必要な打ち合わせも一通り終わり、「きっとWさんも念願叶って喜んでいるでしょう!」と話をしようとした時でした。「一番頑張ってくれたWさんも亡くなったしな・・・」ということをお聞きしました。

あぁ、こんなことって。

Wさんは、毎朝ストーブをつけては隠居部屋が温まるまで、裏の浜辺を眺めるのが日課だったそうです。先日も、いつも通り元気に目覚め、ストーブをつけ、裏の浜辺に出たところで急に倒れてしまい、すぐに病院に運ばれたものの・・・ということでした。ついこの前まで、「おれぁ、苦しまないで元気なまんま、ぽっくりいきてーな。」「どんなご縁に合うかわからん、そんなうまいこといくかい!」なんて、冗談話をしていたそうです。良くも悪くも本当にその通りになってしまいました。

巻障子の図面を眺めながら、住職さんにしても、もちろん僕も、「見せたかったなぁ」という言葉が自然と漏れました。それでも、「そうか、巻障子入るか!良かった、良かった」という話をしていたそうで、なんだか喜んでいる顔がリアルに浮かんできます。

完成したら、Wさん何ていうだろう。
「おまえ、もうちょっと早く話持ってくれば、おれも見れたべぁ!」って言うだろうなきっと。

いつのまにか自分も、こういうことにも出遇って行かなければいけない年齢になってきたのだなということを、改めて教えていただいたことです。

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※巻障子のイメージ

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六鳥型前卓の修復

お付き合いのお寺にてご依頼いただいた前卓の修復が、先日完成いたしました。

ここをご覧になっている方は、結構詳しい方が多いかとは思いますが、念のため・・
前卓は「まえじょく」と読みます。特徴的ですので、見る人が見れば宗派もすぐにわかります。
こちらは浄土真宗本願寺派用のものです。
本堂の真ん中に置いて、蝋燭や花、香炉を置く、御荘厳のメインテーブルになります。

相当重たい仏具が乗りますので、かなりの重量がかかります。
代々受け継がれてきた年数+直接のはっきりした原因はわかりませんが、こんな風に足にヒビが入り、早急に修理が必要ということになりました。
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足のヒビのほかにも、全体的に金箔は擦れていましたので思い切って全修復させていただくことになりました。
もともと、すべて金箔押しの仕上げになっていましたが、本願寺派では極彩色で仕上げたものもよく使われます。
このたび、新たに彩色を施したところ、それはそれは見事な鳥や龍が浮かび上がってきました。

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中央の六つの窓には、それぞれ極楽浄土に住むという鳥の彫刻が施されています。
仏説阿弥陀経というお経の中に、それぞれの鳥の名前が出てきます。
「六鳥型」と言われる所以です。

とても立派になりましたが、法要の時には、内敷や水引という布で覆ってしまいますので、この様子は全く見えません。
なんとも勿体ないような気もしますが、報恩講やお盆、お彼岸はもちろんのこと、なにもない平素に、御本堂へお参りに寄らせていただくというのは、いろいろ発見があるかもしれませんね。
ひとけのない静かなお御堂というのは、凛とした空気が優しくも厳しく、とてもすがすがしい感じがして好きです。

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寺院仏具を分解すると・・・

浄土真宗本願寺派の御内陣にお荘厳される、前卓(「まえじょく」と読みます)という大きな仏具を分解しました。
四つ角の彫刻のヒレは差し込む構造になって前後左右があるわけです。

継ぎ口に、なんて書いてあるのかなと思ったら、「向かって右ノ前」
とても人柄を感じます。
その他、真宗寺院では左右のかわりに「祖師側」「御代側」といった、メモが見えない木口にかいていたりします。
近年の建造物で、大工さんが鉛筆で描いたようなものとちがい、墨で筆文字なんですね。

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京都でも名古屋でもやらないような構造、補修の跡があり、当時の北海道内で、いろいろ工夫して直したのかもしれないということが推測されます。いろんな歴史を想像できます。
かなりの年代ものですが、当時の職人さんの仕事の様子を直に感じ取れるというのはとてもロマンチック。

ちなみに、今ではあまり使われなくなった表現ですが、仏壇や仏具を修復してきれいにすることを「お洗濯」というんですよ。
その場合、補修ではなく、総ての部品を分解し、漆、金箔、彩色、金具の鍍金(メッキ)もし直しますので、非常に手間はかかりますが、100年前の仏具でも新品のようによみがえります。

どちらがコスト高か、どちらがメリットがあるかではなく、こうして先達から受け継いだものを守っていくということが、日本人の心を育ててきたのかなとも思います。

これから数か月かけて、それぞれの工程の職人さんを回ってお洗濯していきます。

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通好みのお仏壇

今夜は仏壇の検品をしていました。

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外見は普通の金仏壇です。家具とちがって一度開いたら、全面の扉を閉めませんので、外側は真っ黒というイメージは、ご自宅の仏壇が金仏壇でも改めてみると意外に思われるかも知れません。

扉を開きます。

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このように、中は金ぴか。
金仏壇は主に浄土真宗系各派で使われることが多く、金箔で荘厳に飾られた仏壇内部は極楽浄土を表していると言われています。
最近は、モダンな家具調のものが多く、このように金仏壇にこだわるかたが減ってきました。

それで、タイトルの、どこが通好みなのかということですが、
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ここなんです。大抵の仏壇は欄干(手すりの部分)、須弥壇(中央の机)は、全て金になっていることが多いです。しかし、これは本願寺派の本堂仏具に合わせて、朱と黒で仕上げてあります。

そして、写真だとわかりずらいとはおもいますが、実はすごく小さいんです。ご本尊掛け軸は20代でご用意させていただきました。総丈90cmととてもコンパクト。
この大きさで、本格的な金仏って意外と探してもないんですよ。お客様のご希望で見つけてきました。
こじんまりしていても、荘厳さがあって、とても良いなと感じました。
あまりに、ぼーっとながめていると奥さんから「なにしてんの?寝てんの?」と言われてしまったほどです。「眺めてた」と言って
笑われました。

仏壇もご入り用の際は是非、当店にご相談下さい。
いくらでも高く売る方法があるので、業者は好んで仏壇を販売します。
細か解説は機会を改めますが、親身な相談が本当に大切な買い物です。
この仏壇は、明日納品になります。
喜んでいただけるといいですね。

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塗って、研いで、塗って、研いで・・・・

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以前、このブログでもご紹介して、地道に作業を続けていた仏具の修復ができました。
上下の框(かまち)、天板、側面を造作して、工芸漆(うるし)を塗り磨き込みました。
この工芸漆と言うのは、本漆ではなく人工原料でつくられた、漆風の樹脂塗料です。
基本的には漆と同じような扱いですが、乾燥の原理は違うので、湿気を出す必要はなく、一晩程度の乾燥で、重ね塗り、研ぎ出しもすることができます。

代用漆といえば、よく知れたのは「カシュー漆」で、こちらはカシューナッツの油から取り出した天然塗料です。漆の器にしても、仏壇仏具にしても、特別な表記なく「漆」とかいてあると、だまってカシューを使っていることもあります。その場合、本物の漆は「本漆」と区別してあることが多いです。1950年以来、代用漆=カシューという時代が長らく続きましたが、現在は、ほかにもさまざまな代用漆が使われています。漆塗職人の事を塗師(ぬし)といいますが、最近は塗師さんもカシュー以外の新しい代用漆を扱う方もでてきました。
本漆は1000年以上の歴史があります。カシューは60年。その期間耐え抜いたという実績です。そのた新しい代用漆は、これから100年後、200年後、どのような劣化、硬化がみられるのか、計算上の理論値だけでは答えはわかりません。それぞれにメリット、デメリットがありますので、ケースに応じて使い分けたいものです。

ちなみに下の写真が、修復前の状態。比べてみると見違えるようになりました。
西洋の石文化と違い、古い木工品を半永久的に使う工夫というのは、とても日本らしくて大事にしたい精神ですね。

 

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仏具、リフォーム中です。

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お預かりして作業中の仏具です。もともと仕込みのものだったらしく、両サイドはむき出しの状態で、天板も大きな傷がありました。少し高さを上げて、独立して使えるようにしたいというご希望でした。
側面にはきれいな板を貼り直してこれから塗装します。上下の框(かまち)を造作しているところです。框の枠の内側に15mm角で欠き込んでピッタリはまるように作っています。外枠の出隅は45度で合わせており、これに天板をつけると、一見、分厚い無垢材で作ったような框になります。
まっすぐ切ればいいと思ったら大間違い。古いものは当然多少の歪みがあります。上に物を乗せてカタカタ動くようでは困るので、鉋で微妙に曲がった癖を取りながら、新しい部材と、古い台を合わせていきます。
木地がもうちょっとなので、出来れば寝る前に、塗装前の下地くらいまでやりたいところです。

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日曜の夜に日曜大工

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今夜はちょっとした大工仕事です。「念珠屋」といいつつ、実はこういう仕事がけっこうあったりします。
一昔前は、仏具と言えば、木地、うるし塗、金箔、飾り金具とそれぞれの職人さんにお願いする以外に方法はなく、それぞれの手間賃、輸送費、そして最後には営業マンがしっかり利益を取らなくてはいけないため、ちょっとした修理でもとんでもない金額がかかっていました。もちろん、今も最高品質を求めるならそうするしかありませんし、そういうお仕事を承ることもあります。
しかし、その仏具を使用する場所や、仏具ではないけど周辺のものによっては必要十分という考え方もあります。して欲しい作業は日曜大工程度の事なんだけど、自分でやるのはちょっと・・という場合に、よく相談を受けます。そんなときは、材料費プラス、手間賃を計算し無理のない範囲で提案させてもらいます。
こういった場合に、作業自体はさほど難しい事はしていませんが、苦労するのはアイディアの方です。どうしたら費用をかけずに見栄えするものになるか、そのためにはどんな材料を使えばいいか、どのように木を組むのが丈夫で美しいかということをいろいろ思案します。木工の経験があまりない方は「木の箱」を簡単に考えるかもしれませんが、箱を作るには様々な方法があり、工作の精度も必要なため、とても頭を使います。

 

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