ネットでもできる「数珠の相談」

※(当ブログでは、念珠=数珠として書いています。文脈上の理由などから混在することがありますが、ご了承ください)

おかげさまで最近は、本州からのご注文、修理のご依頼も増えています。
先日は、埼玉県よりご相談のメールをいただきました。

たくさんのメールと20枚以上の画像

本当は対面で、材料を手に取ってご覧いただけると話は早いのですが、遠方で必ずしもそれが実現しない場合があります。

今回のご相談では、メールを通信手段としました。
毎回数枚の画像を送りながら、何度もメールを交換しながらご要望を絞り込んでいきました。

この作業は、「販売」というより「問診」という方が適切かもしれません。
お客様の方が面倒になってしまうことも当然あるわけで、最後までお付き合いいただいたことには、感謝せざるを得ません。

ネット上では、情報が錯綜(さくそう)しています

例えば食料品ならスーパーへ、日用品ならホームセンターへ買い物に行きます。
ところが「数珠が必要」と思ったときに、どちらで買えばいいかわからないという方は多いかもしれません。

この時代ですから、わかないことであれば、まずはスマホなりパソコンなりでネット検索をすると思います。

ところが、値段もピンキリ、形もいろいろ、どうやって選んだら良いのかわかりません。その上、ネット上には、それぞれ自分なりの解釈がさも正式な回答かのように語られていることが多く、よくよく調べている方ほど、正解がわからなくなってしまうことが多いです。

オンラインショッピングは大変便利ではありますが、対面販売のように相談しながら買うことはできません。


合わせる紐(ひも)の色だけでも、迷ってしまいますね。

相談できるオンラインショップ

これが出来るのが、長岡念珠店の最大の強みだと自負しています。

かつては商店街や市場で当たり前だった、対面販売の時代は終わりつつあります。
あらゆる契約がネット上で完結します。店頭でも一言も会話せずに、支払を済ませて商品を購入できる方が普通になってきました。

店先で店主に話しかける感覚で、問合せの電話やメールをいただけることは大変嬉しく思っています。

今後は、LINEやフェイスブックなどのSNSを使い、チャットや音声通話でさらにリアルタイムな対応もしていけないだろうかと言うことも考えています。

お客様の声

ネットでお店や商品を検索するときには、「レビュー」や「クチコミ」を参考にされるのではないでしょうか。業者側としても「お客様の声」というのはとても貴重な財産です。

実は、当店でも非常にたくさんの「お客様の声」が寄せられています。ただし、ネット投稿ではありません。翌年のお寺の法要でお目にかかると、「いやぁ、去年買った念珠がとっても良くてねぇ」なんて声をかけていただいたり、修理した念珠を送ると「こんなにきれいになると思いませんでした!」と、わざわざ電話をいただいたりします。

「ずっと気になっていた母が遺(のこ)した念珠が、これでやっと使えます」とハガキをいただくこともあります。

せっかくの貴重なメッセージを上手く活用しきれていませんが、次の仕事へ向けて、日々の活力になっていることは言うまでもありません。

まるでジュエリーを買った時のように心がウキウキして、うっとり眺めています。

本日は、こんな嬉しいメールが届きました。
メール交換でじっくり選んでいただいた、埼玉県のお客様からです。

ナカナカ上手く出来ました!(画像を添付します)

と、送ってくださった写真がこちら。
お好みの生地をさがして、念珠入れを作られたのですね。

それぞれの玉の色にも良く似合っていますし、なにより縫製の完成度が高く、このままうちの売り物にしたいくらいです。

電話にメールに・・

今日もバタバタと数件のご相談をこなしながらの作業でした。

僕のことを「念珠職人」と呼ぶ人がいますが、自分ではあまり職人という意識はありません。顔も上げずにコツコツと念珠作りを続けているわけではないですからね。もちろんそういう時間もありますが。

強いて言うなら「念珠ソムリエ」

お好みやご予算、在庫状況によって制作可能かどうか、在庫がなければ入手可能かどうか、宗派や地域、時には家族の事情などもお聞きし、ご要望の奥にある本当に解決したい問題はなにか、そんなことを考えながら念珠を選ぶということ考えると、「ソムリエ」という言葉がぴったりかと思っています。

念珠を購入するというのは、よほどのご縁がもよおしてのことかと思います。
いつも通りの日常生活を送る中で「そうだ、念珠を買おう!」と、「京都に行こう!」みたいに思いつくはずがありません。

そのご縁を摘み取ることなく、完成した念珠を手に取ったときに、「相談して良かった」と思えるようでありたいものです。

購入や修理依頼に直接関係ないご質問もたくさんいただきます。商売人としては上手な方法ではないかもしれませんが、こうしてたくさんのコミュニケーションをとることで、市場全体のレベルが少しでも上がって、良い念珠を大切に使ってくださる方が増えるといいなという願いを込めて続けていこうと思っています。

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数珠屋が着る作務衣

※(当ブログでは、念珠=数珠として書いています。文脈上の理由などから混在することがありますが、ご了承ください)

今日は、夕方まで東京におりました。

念珠の話ではないけど、店主の作務衣の話

そういうの要らないから・・とは言わずに、どうぞおつきあいください。

浅草といえば、雷門をくぐり、仲見世通りを冷やかして浅草寺でお参りというのが、ありがちな観光パターンではありますが、浅草寺を向かって左に抜けた西参道商店街は、僕のお気に入りスポットなのです。

お目当ては、作務衣専門店の藤衣(ふじごろも)さん

お手頃なものから、立派なものまで品の良い作務衣がそろっていて、どの予算でもきっと良い作務衣に出会えると思います。

永六輔も愛した「玄照堂」の作務衣

ご主人に勧めていただいたのが、「玄照堂」の作務衣。

僕に普段お会いする方は作務衣姿も見慣れているかと思いますが、いつも着ている何着かは、すべてポリエステル製なのです。いろいろ着てみた結果、扱いやすさ、耐久性、値段、見た目を考えて、「着心地」についてはちょっと犠牲をはらって、近年はポリエステルを選んでいました。

そんなことを色々お話ししながら、「ご予算があれば・・」と勧めていただいたのが、「玄照堂」の藍染めの作務衣でした。

これがですね、普段来ている人ならわかる、見事にツボを付いてくる作務衣なのです。

先染め生地は、風合いや耐久性がいいのはもちろんのこと、襟のつくり方、紐やポケットの位置、見た目ではわかりずらいところまで、工夫されていて、着る人想いな作務衣です。
作業するにも動きやすく丈夫で、人前に出るにも襟元がきれいに収まるシルエット。

きっとメーカーさんも、見た目には大差ない格安品の存在に苦労していることは、想像に難くありません。
こういう作務衣を着ると、改めて、お客さんを裏切らない良い念珠を作り続けたいなと思います。
どの業界でも、ヘビーユーザーほど、わかってくれるところまでしっかり手を抜かないのは、大変ですが、続ける価値のあることです。

浅草西参道商店街

今日はとても良い買い物ができて満足です。

下町ぶらぶらは良いですよね。
次に西参道をあるくときには、「北海道らーめん なまら」にも行ってみなくては。

ちなみに、すぐ近くにそびえ立つスカイツリー。
一度は登ってみたいものですが、今日はあいにくの天気で下から展望台がみえないほどの低い雲と霧でしたので、やめておきました。また機会があれば。

次回、皆さんにお目にかかるときには、藍染め作務衣かもしれません。

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え?うちって神道?

ある日のお客様です。
朝から急に電話がきて、

「どうしても今日中に念珠が必要なんですが・・」

「今から伺ってもいいでしょうか?」ということでした。
その日は、出張等の予定もなかったので、数時間後にお約束しました。

実はけっこう良くあるパターンです。
事前に用意していなかったものの、身近な方が無くなってお通夜までに必要だと慌てることは結構あります。日ごろ仏壇屋さんを意識する人も少ないので、焦ってネットで検索したところ、うちのホームページを見つけてくださるということが良くあるのです。

いらしたのは、お母様と若い息子さん二人。
お会いして事情を伺ったところやはりその通りでした。
息子さん用にそれぞれ作りたいとのこと。
本来ならばじっくり選んで、無いものは取り寄せてでもお仕立てしたいところですが、今夜のお通夜ということですので、手元にある材料で納得していただくしかありません。

念珠をお求めの際、手順としては最初に宗派を伺います。

「え?宗派って関係あるんですか?あれ、うちって何宗?」

はい、これもよくあるパターンなのです。
各宗派ごとに形がありますし、日蓮宗等とくに本式にこだわりが強い場合もあります。
宗派によってルールとまで言わなくても、好み習慣が違うこともあります。
それによって、ご用意できる材料も変わってくるからです。

すぐにご実家に電話をしたところ・・

「え?うちって神道?」

正直、このパターンは僕も初めての経験でした。
神道なので、仏式の念珠は当然必要ありません。
近頃は、神道用数珠というのも作っているところもあるようですが、あくまで最近になって考案されたもので、正式な神具としてあるわけではありません。

もちろんそれが分かった以上、こちらから勧めることはしませんでしたが、お母様の提案で、これから社会に出るのに持っていてもいいでしょという結論になりました。

主張をとるか、無難をとるか

良くも悪くも、日本の習慣からして、長いものにまかれた方が無難ということもあります。確かに宗派などわからないお仕事上の付き合いで葬儀に参列する場合は、略式でも念珠を持っていた方が、変に詮索されることは少なくなります。

別な信仰をお持ちでしたら、仏式の念珠を持つ必要は全くないはずなのですが・・

IMG_4928

お母様がそうおっしゃるならこれもご縁と、材料を見立てました。
いろいろ見ているうちに、木玉に天然石仕立てで作りたいという好みが見えてきましたので、それぞれ生命樹に琥珀、黒檀に本水晶と選んでいただき、さらにお好みの紐の色を組み合わせて作りました。

大変喜んでいただいて、その場は良かったのですが、帰りがけにお母様が言った一言。

「それにしても、親戚が集まる中、念珠買ってくるって家を出たのに、誰も何も言わなかったよね」

たしかに・・・
まあ、女系の親戚で他の方は仏教だったかもしれないし、詳しい事情はわかりませんが、うちは神道だから要らないって言う人が、誰かいてもよかったような気はします。それほど、宗教への関心というのは日常から離れてしまっているのが、日本の現実なんだと思います。

皆様のお宅は宗教、宗派は?

必要な方は、何もないうちにこそ、念珠のご相談を。

※この記事は、2015年に投稿され、2017年に加筆修正されております。

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数珠(念珠)を持つ意義は、義務か、嗜みか、志か。

文脈によって、念珠と数珠が混在しますがご了承ください。

格好悪いので数珠を捨てた

最近は、スリランカ上座仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老のお話が大好きで、よく本を読んでいます。スマナサーラ長老が日本で数珠をもらったが、格好悪いので捨てたというエピソードがありました。
それを生業にしている僕としては結構ショッキングなお話です。

数珠を使う? 使わない? 世界の宗教

インドで発祥した仏教が日本まで伝わってきた北伝仏教では、数珠が発達しました。

その起源はバラモン教の頃までさかのぼるらしく、仏教特有のものではありません。キリスト教のロザリオも、イスラム教のタスビ、フブバ、ミスバハ等と呼ばれるものも、起源は同じと言われています。

それに対し、現在でも南伝のスリランカやタイの仏教では数珠を使いません。
スマナサーラ長老も使う習慣がないでしょう。それに、おまじないや気休めの道具は仏教には要らないというような雰囲気すら感じられます。


※店主がミャンマー式の瞑想用に作ってみたプロトタイプ念珠

日本の数珠

日本の仏教では多くの場合数珠を大事にします。
それは僕の解釈では、仏像を大事にするのと同じようなものだと思っています。

お釈迦様の時代に仏像に向かって拝むようなことはしてないはずですからね。文化と宗教を一緒にしてはいけないということも言われますが、いまさら仏像を拝まない仏教を日本で浸透させるのは難しいでしょう。

そう考えると、数珠も仏像も方便としていただき、大切にしながらも形だけ整えて終わることなく、その向こうにどんな教えがあるのか耳を傾けるご縁にしたいものです。

「数珠 必要」で検索する若者

最近では、都市部を中心に、法事や葬式でも数珠を持たない人が増えてきました。

単に意識が薄いということもあるかもしれませんが、驚いたのは、「宗教にはまっている人だけがもつ特別なもの」「趣味の問題なので持つ必要はない」という意見が、当たり前のようにネット上で見られることです。

「必ず必要」などと書いているのは、よく読んでみると、単に数珠を販売することを目的とした業者だったりします。

それを見た若者は、当然持つ必要がないと思うでしょうし、見つけた記事の内容によっては、持つことに嫌悪感すらいだくかもしれません。

結局、持つべきなのか。

そこで、念珠屋としては、「ぜひお持ちいただきたい」と言いたいところですが、スマナサーラ長老のお話に戻ると、持たないことも否定できません。もちろん、意識無く持たないこととは意味合いは全然ちがいますが。必要ないという考えの方は尊重されるべきです。

というような一連の思考の末、必要ないという方がいれば、まあ必要ないんだなと見守るしかないわけです。

葬儀や、お寺の法要に参る際、持つか持たんかどっちがいいんですか?と聞かれたら、持った方がいいと答えます。

それは、義理や決まり事という意味ではありません


※カラフルな子ども念珠

仏教以外の信仰がないのであれば持ってもいいのでは?

上座部仏教のように戒律を重んじて生活してない私たち日本人が、仏様に対して手を合わせる時くらい、失礼がないよう心を正装するという意味で、念珠を手にかけてもよいのではないでしょうか。

そして、わかりやすいたとえだと、大切な方に会うために「背広にネクタイ」をした方がいいのと同じように考えてくださいというお話をします。逆に言うと、ノーネクタイでも失礼がないように完璧なおもてなしができている人は、格好にこだわる必要がないとも言えます。とても難しいことですけどね。

持たなきゃダメなの?って考えていた方は、参考にしてください。

※この記事は2015年に投稿され、2017年に加筆修正されております。

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【ゴールデンウィーク中の営業日について】

本日より、連休に入る方も多いでしょうか。
交通事故などくれぐれも気をつけて、楽しい休日にしてください。

長岡念珠店は、連休中も通常通り営業をしています。ご購入、修理、お問い合わせなど対応できますのでご連絡ください。

連休明け5月7日~10日は、留守にしています。連絡はとれるようにしておきますが、発送業務はお休みさせていただきますことご了承ください。

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合同会社 長岡念珠店 設立のお知らせ

※(当ブログでは、念珠=数珠として書いています。文脈上の理由などから混在することがありますが、ご了承ください)

「合同会社 長岡念珠店」になりました

長岡念珠店は開業8年になります。
今までは、個人事業主届けでの営業をしておりましたが、おかげさまでこの春、合同会社として法人化いたしました。

合同会社というと、聞き慣れない方もいるかもしれません。
かつての有限会社に近い条件の、新しい会社形態です。
また合同というと、誰かと一緒にやっていそうですが、今までと変わらない夫婦二人での経営です。

もうちょっと良い名前なかったの?とも聞かれますが、社名には全然執着がなく、あまり悩みませんでした。ナントカ・ソリューションズとかの方が、よかったですか。笑

株式会社じゃないの?

一番よく聞くのは株式会社ですね。今は1円から作れるんでしょ?と軽く言う方がいますが、それは資本金の話ですし、法律上可能になったというだけで、実際にはそれなりにお金が必要です。
合同会社もある程度はかかりますが、手続きが簡単な分、登記にかかる費用はずいぶん押さえられます。

うちが株式会社を選ぶメリットがあるとすれば、響きがかっこいいということくらいですね。
実はこれが結構大事なことで、「かっこいい」を捨てきれず無理して株式会社で起業し苦労する人はけっこう多いのです。

これから、念珠屋さんはどうなるか?

これが、皆様から見る限り、驚くほど何も変わりません。笑
(「少しはやる気出して変われ」・・という声が聞こえてきそうですが)
内部的には、税制上の書類や申告が少々面倒になったりするくらいで、念珠の制作販売に関わる部分は大きく変わりません。

まだまだ手続きはいろいろ残っているので、完全移行には少し時間がかかりそうですが、個人事業については5月いっぱいくらいで税務署に廃業届を出す予定です。

はなす・つくる・てわたす

相談から、制作、納品まで。これからも、丁寧に対応していきたいと思っています。
今後もその姿勢はかわりません。

ただ、あらゆる業務を夫婦二人で背負いすぎて、どうにも手が回り切っていないのも事実です。
長岡に頼んだ仕事はなかなか出来上がってこないというのは、常連さんの間では有名な話。(自慢できることか・・)
毎日、深夜0時前に仕事が終わることはありませんが、それでも長らくお待たせしてばかりです。

今後は、時間確保への投資、そしてビジネスパートナーとの出会いというのが鍵になりそうです。

できることをやり続ける

世間の経営者は、不安でいっぱいだと聞きます。
僕の場合、仏教に出遇ったおかげでしょうかね。能力もないけど不安もないのです。

20年前の学生の頃には、念珠やを経営しているなんて想像もしませんでした。そう考えると、将来のことを不安に思ってもどうにもなりません。

後にも先にも、できることを精一杯続けていくしかないと思っています。
「できること」は勉強するほど増えます。技術も磨けます。そして、年をとって減ることもあります。指先が動かなくなったら、口先で仕事をしているかもしれません。

そうやって、たまたま人間に生まれたからには、少しは人間の役に立って死んでいけたら良いなと思っています。昔はアホみたいにボケーっと無駄な時間を過ごしていた時期もありますが、今は、一分一秒寿命を削っている実感があります。

ご縁あって、ここまで来たことです。
「おかげさま」をもう一度かみしめて、新たなスタートを切りたいと思っています。
皆様には、ますますのご指導を賜りますよう、お願いする次第です。

今後とも、「合同会社 長岡念珠店」をよろしくお願いします。

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数珠に使われる菩提樹(ぼだいじゅ)の実

※(当ブログでは、念珠=数珠として書いています。文脈上の理由などから混在することがありますが、ご了承ください)

数珠に使われる材料といえば?

お釈迦さまがピッパラの木の下で悟りを開いたといわれており、日本語では「菩提樹(ぼだいじゅ)」と訳されています。

念珠の材料としても「菩提樹の実」がよく使われます。この「菩提樹の実」と呼ばれているものが、とても種類が多く、「本物の菩提樹ですか?」と尋ねられると、それは一言ではお返事できません。

菩提樹とはなにか

まずもって、インド、中国、日本といわゆる仏教の北方ルートで菩提樹と呼ばれている木が、少なくとも5種類あるそうですが、当然、熱帯にしかない木もあれば、中国、日本の温帯でも育つ木もあります。
日本の菩提樹に至っては、葉っぱの形がにているということで、日本語でも正式に「ボダイジュ」という名前になってしまったそうで、植物上は全く別の木です。

インドと日本だけ比べても、当然、同じ木が自然に育つはずはありません。

どんな種類があるのか

念珠の材料としては、すぐに思いつくだけでも・・

星月菩提樹(せいげつ ぼだいじゅ)
龍眼菩提樹(りゅうがん ぼだいじゅ)
鳳眼菩提樹(ほうがん ぼだいじゅ)
蓮華菩提樹(れんげ ぼだいじゅ)
天竺菩提樹(てんじく ぼだいじゅ)
緬茄菩提樹(めんか ぼだいじゅ)

・・まだまだ色々ありますが、いずれにしても、お釈迦さまが悟りを開いた菩提樹の実ではないそうです。

現在は、流通量が減って、日本でも特に人気のある星月菩提樹も中国側が売りしぶっているという噂も聞いています。
(※記事を投稿した2014年ころの投稿で、現在はまた星月菩提樹が多少入荷できています)

環境や採取のペースなどいろんな問題があるのかもしれませんし、生産地では、バナナの木を植えた方がお金になるから菩提樹を減らしているという話も聞いたことがあります。

お釈迦様が悟りを開いたというピッパラの木

僕も実物を見たことはありませんが、ピッパラの木の種は小さくて数珠の玉にならないと聞きます。

お経にでてくる菩提樹

たとえば「仏説校量数珠功徳経」というお経には、菩提子なら「その福無量にして算数すべからず」と水晶や珊瑚に比べて、最上級の材料だということを謳ってますので、そのお経ができた時代(地域)で、すでに「菩提子」の定義がピッパラの種からずれていることが予想されます。

大乗仏教ではありがちな話ですが、現実的にはお経もあてにならないというのは、日本人にとってはけっこうショッキングな事実です。
もちろん、お経を否定したいわけではありません。経典のエピソードをもって、何を伝えたいかということですからね。
たとえば、浦島太郎を読んで、「カメに乗って竜宮城に行くなんて真実であるはずがない」と否定するのは筋違いですし、生物学的にカメの研究をするために竜宮城の話は役に立ちません。

日本でもよく見かける「菩提樹の数珠」

bodaiju

左の白い玉は星月菩提樹(せいげつぼだいじゅ)と呼ばれているもので、大玉は比較的高価です。右は、ジュズボダイジュと呼ばれているものです。チクナーの実とラバダールの実のどちらかだと思いますが、いわゆる本物(?)はチクナーの方です。どちらも元の木とは違うのに、本物というのもおかしいですが・・

インドでの価格差は100倍くらい違います。わかる範囲での検証の結果、大玉の赤味が強い方はチクナーかもしれませんが、小玉の方は信憑性60%といったところです。また、これこそインド産と思っている人も多いようですが、実際には、インドネシアの方で採れるそうです。

「菩提樹」とつくものは、すべて偽物なのか?

結局、「本物の菩提樹って何?」と言いたくなりますが、これもまた、方便の一つなのかなと考えます。
木像でも石像でも仏像を彫りますが、どの材料をもって表せば本物の仏かと問うこと自体おかしいのと同じと考えることはできないでしょうか。その時代、その地域の気候によって手に入る実の中から、この実をもって私たちにとっての菩提子としましょうと、天竺に想いを馳せながら方便をもって「本物の菩提樹」を意味づけてきたのかもしれませんね。

※この記事は、不確実な情報が多いことをご了承ください。
植物、地理、仏教関連の書籍、取材を参考に主観を交えて書かれています。
2014年に投稿され、2017年に加筆、修正しています。

菩提樹に興味がある方はこちらの記事もどうぞ。
めずらしい特注念珠のご注文

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紐房の数珠 輪の謎

※(当ブログでは、念珠=数珠として書いています。文脈上の理由などから混在することがありますが、ご了承ください)

今回は紐房(ひもふさ)の話です。男性用も紐じゃなくて房じゃないの?という方も、宗旨(しゅうし)、地域によっては多いかもしれませんが、その話はまたいつか。

足先の輪の部分の話

紐房の輪

真は八本足になる組み方ですが、そのうち6本は切りっぱなし、一か所が輪になっています。この状態でお渡しすると、切忘れだと思って、ご自分で切ってしまう方が結構います。
電話をいただいて、「切忘れたんでしょ?」というお問い合わせも多いです。

使いなれた方はご存知だと思いますが、これはわざとそうしているのであって忘れたわけではありません。

輪を残すのが正式か?

しかし逆に、「すべて切るのは間違いであり、輪を残すのが正式」という方がいますが、これも疑問です。

各宗派の作法関係がまとめられた書籍の他、すべてではありませんが、各宗派本山を通じた機関に問い合わせても、この輪に関することは、全く触れられることはありません。

この輪の正体ははいったい・・

房の形の歴史をたどる資料というのはほとんど見つからないため、僕が知りうる範囲で経験的な話ですが、そもそも、この8本足に組み方でさえ、そんなに歴史はないように思います。

現在ご健在で年配の方は、1本の紐で編んだ4本足のもの(写真左の白色の形)を使っています。これも、2本は切れ端、2本は輪になっています。これがアミ紐房とも呼ばれるようになりました。

さらにもう一世代上(亡くなったおじいさんの形見ということで修理を預かることがあります)になると、編み込みがなく玉の下でつゆ結びしただけのもの(写真右の黄色の形)をつかっています。

IMGP2201

ここまで来ると、輪を残すかどうかというより、単に1本の紐を切らずに編んだという形が見えてきます。付け根を編み込んでいないので、無理に輪を切ってしまうと簡単に紐が抜けてきます。おそらく、この昔のスタイルの名残で、飾り編みをするようになった今も習慣的に輪を残しているのだろうなと、想像しています。

長岡念珠店としての結論は、基本的に輪を残す。

当店で制作する際には、特殊な編み方を指示されなければ基本的に輪を残すようにしています。気になる方は切っても問題ないですが、一般的には、輪を残して使われている方が多いかと思います。

輪を残す理由がなにかと聞かれましたら、それが正式とか意味があるとかではなく、「そのほうが粋」というところでしょうか。こった結び方でも上手く輪を残して仕上げるというのは、多少の手間とちょっとしたコツも必要になります。その面倒をあえてやるのが「粋」かなと。

各お寺のご住職様に任せている部分もあるようで、絶対的な正解はありません。お付き合いの住職様や家族親戚の先輩方と相談しながらそれぞれの結論を見つけていくのが、また、良きご縁となるのではないでしょうか。

※2014年に投稿され、2017年に加筆、修正しています。

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幌延町法昌寺様 報恩講

北海道もやっと春らしくなってきました。

4月23日は、サロベツ原野のお寺、法昌寺様の報恩講へお参りさせていだきました。
本州の方(札幌の方でさえ・・)は、ピンとこないかもしれませんが、法昌寺様がある幌延町下沼というところは、300kmほど離れています。東京から福島市くらいの距離ですね。


幸い天気は良くて、ドライブ日和でした。
いつもは荒海のイメージが強い日本海も、この日はベタ凪(なぎ)。写真は小平町です。


サロベツ原野の端に不気味に立ち並ぶ、オトンルイ風力発電所。
他には何もなくて写真ではスケール感が伝わりませんが、風車の高さは99メートルもあるらしいですよ。


こんな日は、海の向こうに利尻富士も見えます。頂上付近は雲をかぶっていました。
それにしても、地平線よりも建物の方がめずらしいと思うような景色。

到着


天気が良く、道中は走りやすかったです。
法昌寺様は浄土真宗本願寺派のお寺です。お寺の周りは、原野、牧草、牛。僕にとっては見慣れた景色ですが、都会暮らしの方は驚く環境ですね。

布教使は、妹背牛町(もせうしちょう)法忍寺様の若院さん。

本堂横で、念珠も並べさせていただきました。
帰り際に声をかけてくれたおばあちゃんは、「とっても楽しかったですよ」と。

対面販売というのは、商売人としてはいわばライブのようなものです。
ライブ会場でファンのみなさまと接するのは、こちらにとっても有意義で楽しい時間です。

お勤め

正信偈(しょうしんげ)が声たからかに勤まりました。

ハートフルなご法話にみなさん熱心に耳を傾けていました。

ベテラン布教使の巧みな話術で心をつかむお話もすごいなと思いますが、最近は30~40代の若手僧侶のしっとりと落ち着いた口調で語りかけるスタイルも定着してきました。

「わかりやすい」という感想がつい出てしまいますが、感想としてあまりにチープ。聞いている方にとっては、話し手が思っている以上に心に残るお話だと思います。お寺では60代以上が圧倒多数ですが、もっと、若い世代にもきいてほしいですね。

変わりゆく法要のスタイル

法昌寺様はいままで9月にやっていた法要ですが、今年は諸事情もあって4月に移行されました。
例年よりも大変お参りの数が多かったそうです。
酪農家が多い地域ですので、9月は牧草の仕事が忙しいんですって。

お寺は昔からの習慣や伝統、宗派や地域のしがらみもあるかとは思いますが、「みんなが参れる」に重きをおいて、柔軟に変化していくことも必要な時代だなということ感じました。

********

この時期なので、普段いないところにまで結構シカが多いのです。
秋と違って、シカの表情も穏やかではありますが、郊外を運転する方はご注意くださいね。

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2つ目に持つ数珠

※(当ブログでは、念珠=数珠として書いています。文脈上の理由などから混在することがありますが、ご了承ください)

●え?念珠って、2つ持ってもいいの?

って思った方がいるかもしれません。
結論から言いますと、全く問題ありません。

ただ、いくつも使い分けている方は少数派かもしれません。

メガネに例えるとわかりやすいですね。視力を補正することが目的ですから、一つあれば用は足りるんです。実際にそういう方がほとんどです。
でも、おしゃれな方や、場所に応じて気遣いをする方は、ビジネス用、プライベート用、レジャー用と使い分けることがあります。

●念珠も同じです

葬儀、法事だけでなく、普段の法要、お墓参り、寺院観光などでもどんどん使っていただきたいと思います。全部同じ念珠でも悪いことは何もありませんが、使い分けていただくことが粋だなということはわかっていただけると思います。

法事だって、七回忌を過ぎたら一周忌、三回忌とは違う念珠を持つのもいいのかなというのが、個人的な考えです。

 

例えば、臨済宗相国寺派の禅寺、鹿苑寺(ろくおんじ)といえば?
そうあの有名な通称「金閣寺」です。修学旅行を含め、1度は行ったことがある方がほとんどかと思います。

●ところで参拝しましたか?

観光地として有名になったお寺でありがちなのは、ただ「ほー」とか「へー」とか言いながら見物して帰ってきてしまうということです。
自分自身そうでしたね。(今はそれなりに大人になりました)

どこかで仏教をたしなんでいる自覚があれば、しかるべき場所で手を合わせてお参りしてくるというのがいいと思います。

こういう方は、当然のごとく、二つ目以降の念珠がほしくなっていることでしょう。

せっかくなので、いくつかご紹介します。
商品の詳細は画像をクリックしてください。


最近はすっかり看板娘として定着している貴石のミックスは、眺めているだけでハッピーになれそうなカラーです。旅行に持ち歩くにも素敵ですね。


こんなのもあります。黄水晶と玻璃オパール(ガラスをオパールのよな風合いに加工された素材)のミックスです。


よく見ると、一粒ずつハート型になっているんですよ。


男性には、こちらはいかがでしょうか。
ちょっと珍しい、「アズライト」という天然石です。紺色の色がすんだ部分だけ取り出すと宝石として扱われるものです。

若い方に評判がいいですが、僕の個人的なイメージでは、ちょっと年配のシブイおじさまにも、オススメしたいと思っています。服装がどうしても地味になりがちな方は、ワンポイント手元が明るいのが、とてもおしゃれです。

●結局はお好みで・・

と言ってしまえば無責任に聞こえますが、もちろんご相談の上です。持ち歩きやすい軽さが重視なのか、丈夫さ重視か、デザインで選ぶか、素材で選ぶか。人それぞれ、ピンとくるポイントは違いますからね。

ご相談の際、初めての念珠なのか、二つ目以降なのか、どんなご縁でこのたび購入しようと思ったかも一緒にお話いただくと、選ぶときにスムーズだと思います。

ぜひ、二つ目の念珠、ご検討なさってみてはいかがでしょうか?

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