昨年11月~年明け1月にかけて、札幌市覚王寺様との協同企画で、全3回の「念珠の学校」が開催されました。大変、有意義かつ画期的な集いになりましたので、ご報告します。

念珠の学校、募集要項についてはこちら↓
https://nagaokanenju.com/blog/archives/2842

講座の概要

1回の講座は2時間で、冒頭30分程度で念珠の話。残り1時間半で、本格的な房付けをする略式念珠の制作をしました。

念珠の話

第一回『私の念珠は、○○○です!』

「わたしの念珠はふつうです!」というオチでした。
念珠の形は、宗派や男女、その他世代、地域性など、実に様々な形があります。
一見同じものを指しているようでも、仕立て方が全然違って、非常に手間のかかるものから、簡易的に作られているものまであります。

良かれと思って購入したものが、住職さんに違うと言われた、お姑さんに違うと言われた・・ということは、けっこうある話なのですが、それは宗派としての公式見解に基づいた意見かと問いただすと、案外、独自ルールということも多いです。

ただ、それも含めて、地域や家庭の文化ですので、否定することなく、年長者の意見は基本的に受け入れてはどうでしょうか?という、提案をしました。

実際に、たくさんの見本を見ていただきながら、それぞれご自分が思っている「普通」の念珠との違いを体験していただきました。

第二回「私の念珠って、なんぼくらい?」

念珠の価値というのは気になるものです。
値段が高いのか、安いのか。購入するときも、騙されていないのか、素材は本物なのか・・・。

漠然と、高いものが良くて、安かろう悪かろうと思っている方も多いかもしれませんが、安くても作りがしっかりしているも、逆に高く見せかけて、仕立てが悪いものもあります。

念珠の値段をきめる要素は一つではなく、様々な理由があります。目的や選ぶ理由によって、念珠のどこに価値を見いだすかが変わってきます。

本物かどうかという話では、水晶を例にとって、天然の本水晶、人工的に作られた本物の水晶、ガラスの玉、透明なプラスチック等を並べ、その違いを見比べていただきました。

第三回「念珠を縁に仏教に遇う」

僕がどんな想いで、みなさんに念珠のことを伝えたいのか。そのために、今までの経緯や、どうやって念珠屋になったのかという、自分のことを少しお話ししました。

そして、仏教だけじゃない、世界の数珠へと話を広げていきました。

仏教108玉の数珠が登場する経典として「仏説 木槵子経」をとりあげ、原文を覗いてみました。漢字ばかりのお経の意味をわざわざ読み解こうする機会は少ないと思いますが、大意がわかっていれば、意外と漢字の雰囲気で意味が掴めるものです。

また、パワーストーン等の問題点や関わり方についてはデリケートな話題ではありますが、あえて主観も入れながら僕なりの解釈をお伝えしました。

念珠の意義はひとつに限られたものではありません。お話ししたエピソードから、私たちとって何なのかということを考える機会となりました。多くの人に、念珠を縁に仏教に遇って欲しいということ、参加してくれた皆さんが、また次の方へお話しを伝えて欲しいという想いを語りました。

実習

3回を通じて、難しい四つ編み作業を含む、略式念珠の制作をしてもらいました。

1回目では、「ダメかもしれない!!」の声も上がっていましたが、その後、参加者限定で配信した復習動画をみながら、みなさん熱心に練習したようで、2回目にはほとんどの方が、難しい編み方をマスターしていました。

3回目には、無事、みなさんできあがりました。早く終わって時間に余裕がある方は、編み紐房の特殊な編み方や、腕輪念珠など、それぞれ求めるものを練習しました。

出来上がった念珠でおつとめ

3日目に見事完成した念珠をそれぞれもち、覚王寺様本堂にて重誓偈のおつとめをしました。

さっきまでの和気藹々な雰囲気は一転して神妙な空気になり、厳かに読経されました。

「いつか自分で作ってみたいと思っていた念珠が出来上がり、おつとめをしながら感動しました」という声をいただききました。

ネットと連携

今までもやってきた念珠の話や実習の内容についても、よく精査して内容を充実させたつもりですが、新しい試みとして、インターネットを使った情報共有ということがあります。

メールやSNSメッセンジャーで繋がって頂き、講座間に感じた疑問点などをシェアできる他、リクエストがあれば、その部分の動画を作成し、参加者に配信することで、当日の技術を覚えきれなくても、自分のペースで復習することができます。

これは、実際にやってみたところとても好評で、最終日にも、総復習動画や、難しい部分の解説などのリクエストがありました。
これは、当日、事情があって欠席してしまった人にとっても、とても役に立つことが期待されます。実地での3回は終了しましたが、僕の仕事はもう少し続きます。

教室活動の今後

念珠を作る教室というのは、大きく分けて二つのパターンがあります。

アミューズメントとして、つまり、その日に手を動かして楽しい時間を過ごすことを目的としている場合。もう一つは、念珠制作の技術を習得したいという場合。どちらも優劣はなく、求められるケースに合わせて企画を提案しています。

何れの場合も、少なからず念珠に興味を持っていただき、少しでもご参加のみなさんの世界が広がれば、幸いに思っております。

「念珠を縁に仏教に遇って欲しい」という願いに立ち返ると、とても有意義なことであることには違いありません。今後は、ますます楽しく便利に、喜んでいただけるアイディアを盛り込んで、講座内容をアップデートしながら、活動の範囲を広げていきたいと思います。

最近では、北海道であるという土地のデメリットを超えて、本州からも複数のお問合せを頂いております。少しずつ実績を積みながら、ますます力を入れていく所存です。

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