琥珀

木の玉、石の玉

念珠の玉には、様々な素材があります。

代表的なものを大きくわけて、「木の玉」と「石の玉」がありますね。

その他、琥珀、珊瑚、貝、骨など、稀少で珍しいものや高級なものもありますが、割合でいうと少ないので、ここでは木と石についてお話しします。

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その数珠の玉って、本物ですか?

本物の素材とは

偽物を掴まされる心配

念珠をお求めの際に、皆さんが心配になることだと思います。

念珠売り場ではたくさんの天然石、木材、珍しい木の実などがならび、宝石の世界でも昔からある話ですが、はたして、本物だろうか?という心配です。

ご年配のおじさんが良くいう台詞ですが「安物はダメだ」というのがあります。つまり、ある程度の値段をのものを買った方が、失敗が少ないと言う意味だと思います。

これは、半分正解ですが、もう半分は危険もはらんでいて、その心理を利用して、粗悪品や偽物でも、高くすると逆に売りやすいという心無い商売をしている輩もいるのは確かです。

「本物」の定義

「おたくの念珠の玉は本物だろうね?」ということも、たまに聞かれますが、これは実に難しい質問です。

なぜなら、今や「本物」の定義が実に曖昧になっているからです。

たとえば昔は、本物の水晶、そしてそれの模造品として、たとえば質の悪いガラス玉、もっと安価な物になると、透明のプラスチック。

ですから、「本物」といえば、いちばん高価で見た目も美しい水晶かどうかということが問われたわけです。

本物より上等な偽物、人工的に作られた本物

近年の場合。

同じく水晶を例に挙げると、天然の本水晶(上等なもの~ランクの低いもの)、結晶を人工精製された本物の水晶、溶錬水晶(という名の綺麗なガラス)、上ハリ(という名の綺麗なガラス)、普通のガラス玉等いろいろ有るわけです。

人工精製された本物の水晶となると、言うなれば養殖みたいなもので、鑑定しても水晶です。天然と養殖の鯛みたいなもので、養殖が偽物というわけでもありません。

何も知らずに溶錬水晶と聞いて「水晶ですよ!」と販売している業者も多く、それは論外だとは思います。 いずれにしてもガラスは偽物の水晶だろう?と聞かれたら、その通りです。しかし、ブラジル産になると、天然水晶だからと言ってもランクの低いものはガラスよりも安いというのが現実で、見た目にも、上質なガラスの方が見栄えがいいということもあります。

ですから、水晶だと騙されたならガラスは偽物ですが、ガラスの念珠を買うという理解の上なら、悪い選択じゃない場合もあります。実は、僧侶向けの装束念珠では、「上ハリ」の名前で、水晶のものよりも、質の良いガラス念珠の方がたくさん流通しています。

ただ、実用的にはとことん使い込んでも美しさを保つのはやはり水晶で、ガラスは硬度低い分、細かい傷で曇ってきます。

天然石

見た目を変えたり整えたり

エハンスメント、トリートメントなどの専門用語がありますが、要するに色味を揃えたり、発色を良くより美しく見せるような処理をすることです。

素材は正真正銘本物でも、原石を掘って削っただけというものはほぼなく、何かしらの処理がされている事がほとんどです。

これによって、自然界では極めて稀少な(または存在しない)ものが、人工的に加熱したり、放射線を照射して作れてしまうのです。

どこまでが本物かというのは、宝石屋さんの言い分があるかと思いますが、ここでは割愛します。当店では、必要に応じて「手が加えられています」という説明はしています。

照射処理ブルークォーツ。
カットや擦り加工など表面も凝ったデザイン。

染色

加熱や放射線だけでなく染料で元の石の色を変えてしまっているものもあります。

たとえば最近は、「○○ジェード」と呼ばれるカラフルな石が沢山出回っておりますが、もちろんジェード(翡翠)の一種ではなく、クォーツァイトであることが多いです。クォーツァイトとは水晶が砂状になって再結合したもので、染料が綺麗に入るので処理しやすいのだそうです。

中には、本当に品質が悪く、ただ単にインクに漬けたようなもの玉もあり、こうなると、手の汗でインクが滲んできたりと、酷いことになります。当然ですが、ここまで来ると当店の商品には使っていません。

メノウの仲間も、結晶構造上、染色しやすいので、色のバリエーションが多いです。

染色については、他の処理同様、どこまでが本物かと定義するのは難しいです。これも、製造工程がしっかりしていて、実用的な耐久性を備えているもので有れば、問題無いかと思います。

木玉

黒檀、紫檀、鉄刀木(タガヤサン)等の一般的な唐木(からき)と呼ばれているものをはじめ、生命樹、その他国産の木などいろいろあります。

これらも、完全なる素挽き(削りっぱなしで完成)というのは、手間も材料コストもかかる上、色味を揃えるのが難しかったり、ある程度予算的な妥協があれば見栄えがしないので、かなりマニア好みの選択になります。ですから、ある程度の上塗りがされていることの方が普通です。

木材は手の脂を吸いますので、よく触るほどに色が濃く、つやが出てきます。しかし、それと同時に上塗りの仕上げ剤が落ちてきますので、種類によってはいったん色が明るくなるものもあります。

その変化も、「味」として楽しめる方もいれば「劣化」に感じてしまう方もいます。「色が剥げたので、偽物だったのかしら?」ということもたまに聞かれますが、手の脂が少ないご年配の方が、頻繁に使い倒せば、手の脂を吸い込むよりも、上塗りが落ちる方が気になるということは十分にありえます。

一般に唐木は、建材の世界では高級品ですが、念珠になるとちいさな端材も使えるほか、木材の質を上塗りなどの加工技術でカバー出来る部分もあり、ずいぶん安く流通しています。定番になるほど、大量生産されているため、価格崩壊していると言うこともあると思います。

「本物の黒檀がこんなに安いわけないだろ?」と言われたこともありますが、それらのような様々な理由で、念珠の場合、それほど高くはなりません。

木の実

代表的なところで、菩提樹の実というのが、あります。
お経の中では「菩提子」と書かれています。

「本物の菩提樹」となると、これまた難しい質問で、過去の記事にもしていますので、ご興味があればご覧ください。

○○菩提樹と呼ばれる素材はたくさんあり、それぞれまったく別な植物になります。

また、原実のまま、丸く加工したもの、色を漂白したものなどいろいろ有りまして、これも、なるべく手を加えない方が好きという方がいますし、高度に加工されたものは本物ではないということもありません。

その他、琥珀やサンゴなどになると、もっと面倒な事情が絡んできますが、これも気になる方は、過去の記事を検索してみてください。

まとめ

本物かどうか?というのは、今はとても難しい質問です。

考えていきたいこと

ひとつは、公称通りの素材かということ。

表示と違うなんて、そんなこと許されるの?と思われるかもしれませんが、念珠の世界では未だにありますし、そもそも騙す気がなくても、通称名がすでに誤解を招く表現になっている場合も多いです。

そこに関しては、できる限りの情報(鉱物的なデータなど)を収集し、皆様にどういうものかお伝え出来ればと思っています。

もう一つは、実用に耐えうるかということ。

いくら綺麗でも、どんなに珍しい素材でも、実用的な強度がない物は排除していきたいと思っています。極端に割れやすいとか、色移りするような粗悪な染色。

ただ、使い方によっては、経年劣化が早い事もありますのでグレーなものもありますが、そこは検証しながら将来も考えて行きたいと思っています。

本物かどうか?

改めて、本物かどうか?について極論で考えますと、天然手つかずの素材か?という意味で質問された場合には、そういったものは、ほぼありませんと答えます。

それぞれの素材について詳しく知りたいお客様の場合は、知りうる限りの情報を提供しています。

人工石や染色したものはどうなんですか?ということになりますと、安心して永年つかえるものであれば、まったく問題無いのではないでしょう、というのが、当店の結論になります。

立場によっては認めたくないというかたもいるかもしれませんが、仏教法具としては、天然素材かどうかというこだわりにはあまり意味を感じません。

また、「天然の未加工に近い素材」が「良い素材」とは限らないということも、重ねてお伝えしておきます。天然の粗悪品もあれば、人工の良品もあるといういことです。

当店ではそのように考えて、念珠の素材仕入を考えています。

私の数珠は、偽物だった・・・

「水晶だって思っていたのに、水晶じゃないの?」
「ヒスイって書いて売ってたのに、翡翠じゃないなんて・・」ということは、実によくあるはなしです。

過去に高い値段で買ってしまったというのであれば、確かにショックかもしれませんが、頂きものであったり、先代から譲り受けたものということになれば、素材自体がどうこうという以上の価値がそこにはあります。

そういった、「私と数珠との関係」における価値というのは、素材の真偽に振り回されることはありません。

「高いモノじゃないのはわかってますが、私にとっては本当に大切なモノなんです」とお聞きして、修理を承ることも多いです。これこそが、大切な心の持ち様だと思いますし、逆に、そんなことにはとらわれませんというのも、また仏教らしいあり方ですね。

ご購入の際、気になることがあれば、知り得る限りの情報提供はしますので、お気軽にお問合せください。

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ペアデザインで作る数珠

オーダーメイドの念珠と言っても、様々なご要望がありますが、こんなこともできるのです。

ご夫婦でこんな念珠はいかがですか?

ペアデザインの念珠

虎目石を基調に

男女ともに道具(親玉、二天玉の三カ所)は虎目石で揃えています。

男性用には、かなり貫禄がでるサイズのたまに、羅漢(らかん)様が彫刻されています。
素材は柘植(つげ)の木で、黒く染められているものです。透かし彫りになっていますので、ゴツイ見た目の割に意外と軽く持ちやすい作りです。

女性用は相応なサイズの黒オニキスですが、通常の丸玉では男性用とのバランスが悪かったので、切子玉を使いました。

北海道産イチイの念珠

木が好きなご夫婦からのご依頼で、道産イチイのペアを仕立てました。
使い込むと将来どんな感じになるのか楽しみです。

水晶にグリーンを添えて

異素材ですが、水晶+グリーンで統一感をだしています。

男性用につかった濃い緑はアベンチュリンといいますが、かつてはインドヒスイと呼ばれていたものです。
かつてはというか、今でも、「ヒスイ」と表記しているお店が多いですが、ヒスイではありません。
実は鉱物学的には水晶の仲間になります。

女性用のグリーンアメシストは、紫色のアメシストを加熱加工して精製される素材です。

緑の玉が異素材でもどこか統一感があるのは、広い意味では同じ水晶に属する親戚のような石だからかもしれません。

超豪華!金琥珀をおそろいで

これは豪華です。男女ともに琥珀のおそろいで作りました。

といっても結構前のご注文で、もちろん当時もそれなりの価格にはなりましたが、現在(2017年)だと、当時の倍くらいの価格になってしまうと思います。

並べて見ると神々しく見えてきますね。

ソーダライトで爽やかなデザイン

男性用には主玉は縞黒檀のみかん玉です。
通常の木玉はウレタンの塗装がされていますが、こちらは一粒ずつ手作業で、天然油をすり込んでいます。

女性用は統一感をだしながらも、重くならないように本水晶で作りました。

カラフルな木玉のミックス

雑誌スロウにも掲載されている定番のデザインです。

ナチュラルな質感がお好みのカップルに人気。

ご夫婦で得度されているお二人からのご注文です。
女性用も法務で使えるように紐房で仕上げました。

道具には独山玉(どくざんぎょく)という薄緑色の石が入っており、これが木の玉によく似合います。

結婚前のカップルにはちょっと重いかも?

ペアデザインの依頼は、主に若いご夫婦、またはご結婚の記念念珠ということが多いです。

念珠の意義が廃れた現代でも、結婚前のカップルがおそろいで用意するのは、ちょっと重すぎるイベントかもしれません。

「おそろいの念珠をつくらないか?」というプロポーズで失敗しても責任は取れませんので、くれぐれも自己責任でお願いします。笑

仏教では「永遠の愛」は誓えませんが、無常の愛のなかでも、仲良くペア念珠という選択も素敵だと思いますよ。

気になった仲良しのご夫婦はぜひご相談ください。

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本物の琥珀(こはく)とは。

※(当ブログでは、念珠=数珠として書いています。文脈上の理由などから混在することがありますが、ご了承ください)

●溶かして成形した琥珀(こはく)は本物か?

前回の投稿で、虫入り琥珀について書きました。
天然の物もあれば、溶かして現代の虫を入れた偽物ももあるという話です。

虫の話は置いておいて、一度溶かした琥珀は本物と呼んでいいのか。

この辺が難しいところで、業界用語では「圧縮琥珀(あっしゅくこはく)」や「アンブロイド」と呼ばれています。素材自体は正真正銘の琥珀ではありますが、人工的に手を加えられていることと、色調整のための染料が混ざっています。

念珠の世界ではこれらを偽物とはあつかわず、単に「琥珀」と表記してあることがほとんどです。

天然が良くて圧縮が悪いと言うこともありません。「琥珀の間」が有名なロシアのエカテリーナ宮殿は、この圧縮琥珀の技術で作られているそうです。

実は、圧縮琥珀を作る技術自体とても難しいのです。ここ10年ほどの間で、人件費の関係で驚くほどの価格高騰をしています。それでも、天然の方がまだまだ高いものです。


圧縮琥珀の特性を上手く利用したデザイン琥珀。
圧縮時に、色違いの琥珀を層にして組み合わせています。

●圧縮、コパール、天然、プラスチックの見分け方

これははっきり言って、かなり難しいです。

琥珀の専門書にはエーテルという薬品をつけて擦る、熱した針で溶かす等とよく書かれています。コハク酸が含まれているかどうか等、化学的に検証する方法です。

しかし、念珠屋の立場で言わせてもらえば、すでに製品化されている物に一か八かで傷をつけてみるような鑑定方法はとれません。


お若い一般女性からのご注文だった、グリーンアンバーの振分念珠
長らく迷ったあげく、やはり房は白。

●せめてプラスチックだけは勘弁してもらいたい

・・と思いませんか。
それなら、比較的簡単に調べる方法があります。

飽和食塩水(ほうわしょくえんすい:常温でこれ以上塩が溶けなくなるまで溶かした水)を用意します。
その中に、琥珀を入れるのです。

比重の関係から、琥珀(天然、圧縮)は浮きます。
プラスチックは沈みます。
コパールは食塩水とほぼ同じくらいの比重のため、温度によっては微妙に浮いたり沈んだりするかもしれません。ただ、アクセサリーの世界と違って、念珠用としてはコパール出回っていないように思います。

つまり、「塩水に浮けば本物」これだけ覚えておけばOKです。
琥珀の念珠をお持ちの方は、そろそろ房を交換しようというときにでもお試しください。
沈んだりして・・(^^;

実験の後は、真水でよく洗い流し、やさしく拭いて乾かしてください。

* * * * *

プラスチックの念珠を持ってきて、「これ、なんぼくらいすると思う?」という方が結構いますが、たちの悪いイタズラはやめましょう。苦笑
「あーやっぱり、わかる?」って、僕が見ているのは「琥珀らしき念珠」ではなくて、その方の顔です。

実は今、ブルーアンバーという、とんでもない琥珀の入手ルートがあるのですが、それはまた別の機会に。


知る人ぞ知る、ブルーアンバー。
紫外線に当たると、青く反射します。

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琥珀(こはく)ってなに? 琥珀の数珠はお高い。

※(当ブログでは、念珠=数珠として書いています。文脈上の理由などから混在することがありますが、ご了承ください)

「琥珀(こはく)」とはどんなものかをお話ししましょう。

琥珀はお高い!

念珠で「一番高いのってなんですか?」という質問をよくうけるのですが、ある程度の供給ルートが確保できる範囲では、琥珀(こはく)が一番高いです。

余談になりますが、超高級な香木もあります。
沈香(じんこう)ならば、有るときはある。伽羅(きゃら)になると、1g数万円の世界ですが、僕も伽羅念珠の実物はみたことありません。

さて、琥珀に話を戻しますが、意外と「琥珀」ときいて、それが何者なのかピンとこない方も多いようです。

琥珀とは何か。

琥珀とは、天然樹脂が数千万年前かけて化石になったものです。

天然樹脂とは、松ヤニや漆のような植物だけでなく、動物の脂や鉱物でも存在します。
そういったものが化石になって琥珀となります。
古代の中国では虎が溶けて固まって、琥珀になると信じられていたんですね。それで、「琥」という字がはいると聞いたことがあります。


グラデーション状に並べられた男性向け琥珀念珠

コパールは、琥珀になりきれていない

コパールという年数が若いものもあり、こちらは琥珀と区別されています。
若いといっても1000万年以上は経っているとも言われています。

虫入り琥珀は要注意

皆さんの年代によっては、映画『ジュラシックパーク』で恐竜の時代の虫が入っていた琥珀を思い出すかもしれません。実際にはそこからDNAを採取する技術はないそうですけどね。しかし、本当に虫が入った琥珀というのは存在します。

本当に当時の虫入り琥珀はとんでもなく高価なものですが、現代になってから人工的に虫を入れて製造されているものも出回っています。偽物は虫の足が折れている、なんてことも聞いたことがありますが、真意のほどはわかりません。そもそも、足を折らずに虫を入れる技術がとっくにできているような気がします。いつの時代も偽物業者の技術はすごいです。

ここで一つ疑問に思いませんか。化石の中にどうやって虫を入れているか。
実は琥珀はもともと樹脂ですので、熱で溶かすことができます。一度溶かして虫を入れるのです。

琥珀になりきれていないコパールはさらに融点が低くて作業しやすいので、虫入り琥珀の偽物として、ずいぶん出回っているようです。購入を検討されている方はご注意くださいね。

琥珀の魅力

琥珀のモース硬度は2.5といいますから、人間の爪と同じ程度の堅さです。
実物を触っていただくとわかりますが、柔らかい感触があります。
この、なんとも手になじむ心地良さは、使っている人しかわかりません。

そして、小さな粒でも遥か昔の世界を閉じ込めた琥珀ですから、なんともロマンを感じます。


北海道産ミズナラの琥珀仕立(ポイントだけ琥珀)

琥珀のデメリット

購入が難しいです。天然、コパール、圧縮、プラスチックなど、似て非なるものがいろいろあります。
販売している業者も、琥珀の専門家ではなく、仕入れ先が琥珀といったら琥珀だと思って売っていることが多いです。(僕は性格が悪いので、あれこれ詮索したり鑑定実験をしたりします)
質の善し悪しどころか、プラスチックと琥珀の区別も慣れていないと結構難しいです。なれると触ればほぼわかりますが、簡単に鑑定する方法もいくつかあります。それはまた別の機会に、ご紹介します。

そしてもう一つ、柔らかいのは逆にデメリットでもあります。とても脆いです。
仕立ての際にも結構気をつかいます。
通常の使用では滅多なことはありませんが、なにかの拍子で房を急に引っ張ったり、堅い物の角にぶつけたりすると水晶などと比べると欠けたり、傷がついたりしやすいです。

~・~・~・~・~

それでも、琥珀はいい物です。天然石のような派手さはありませんが、一生付き合っていける心地よさがあります。

恋人にするなら天然石、結婚するなら琥珀。・・わかりずらいか。苦笑
そんな、魅力ある琥珀の念珠、機会があればぜひお手にとってみてください。

琥珀については、さらにマニアックな話を次回は書こうと思っています。

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男性が選ぶべき、葬儀に持って行く数珠とは

葬儀に向いている念珠の素材は?

殿方、お待たせしました!
葬儀に持って行く念珠の解説、男性編です。
女性用についての解説をご覧になりたい方はこちらをどうぞ。

女性用の解説と同じように、ここでは宗派の形については触れず、あくまで素材についての話題です。

定番で無難な木玉

男性はもともとダークな色が多いので、特別気を使わなくても大丈夫なことが多いです。
しいて言えば、木玉はどんな場合でも無難(ぶなん)です。価格が安いので気楽に普段使いしやすいですが、大法要では見劣りするかもしれません。葬儀では、故人との関係を問わず問題ないでしょう。

モノトーンの天然石

黒オニキスの真っ黒もいいのですが、黒縞瑪瑙(くろしまめのう)のように、シックでオシャレな石もあります。リクルートスーツにストライプを選んでしまったような感じは多少ありますが、若い方が1本持つならこういうのもオシャレで機会をとわず万能です。

木玉+天然石

男性用では木玉+天然石仕立てという組み合わせは、葬儀以外の機会でも万能で使いやすいと思います。組み合わせは無限にあります。

だめという決まりは無いけれど・・・

中には男性用でもこういうトロピカルな石もあります。(下の写真はタンザニアアマゾナイト)
見ているだけでうっとりするほど美しく、個人的にはどの石よりもお薦めしたい良いものではあります。

しかし葬儀用に限って言えば、もうひとつ落ち着いた色の念珠があるといいですね。

大人の選択

大人の男性には、琥珀(こはく)や水牛角(すいぎゅうつの)いかがでしょうか。

この辺りになってくると、高級なだけでなく、出会った時が買い時と思えるほど、珍しい物も増えてきます。当店でも1点限りということがほとんどです。ご自身にとって特別な念珠になることは間違いありません。

その他、男性用では人気の虎目石系、緑や青系の石も落ち着いた色のものもあるので、上げればきりがありません。

まとめ

男性用は、ながく使用することでどう変化するかという「素材の味」を楽しみにしている方も多いです。ものによっては、僕が想像もつかないような「その人の色」に染まっていく場合もありますが、多くの場合はアドバイスができるかと思います。

いずれにしても、急な事情で慌ててお求めになるようなことなく、何もないときにゆっくりと吟味して選んでいただきたいです。

皆さん(実はほとんどのお坊さんでさえ)、念珠のことなど良く知らないものです。
小さなことでも遠慮なくお尋ねください。一緒に、良いものを考えましょう。

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グリーンアンバーの振分念珠

個人のお客様より、グリーンアンバー(緑琥珀)振分念珠のご注文をいただきました。
とても高価なため、さすがに通常在庫はしておらず、受注生産になります。
現在手に入る中では、通常の飴色の琥珀、老琥珀、グリーンアンバーだったのですが、中でも一番高価なグリーンアンバーを選んでいただきました。
グリーンと言っても、エメラルドのような色をしているわけではなく、緑がかった黄色という方が正確でしょうか。
ほとんどの宝石は華美な色ほどもてはやされますが、それは違う雰囲気で、とても素朴で落ち着く色です。

材料です。今回お仕立てしたのは、通称「八寸振分(ふりわけ)」または、八宗用とも呼ばれており、特定の宗派の形ではなく、女性用の一般的な形として浸透している形です。八寸というのはサイズで、広げたとき時に親玉(母珠とも)~親玉の距離が八寸(約24センチ)になるという意味です。
このように色味を揃えたもの1連分の材料を、仮糸に通した状態で用意してあります。
なんと大手の材料問屋でも、1連分しか在庫がありませんでした。なので、今ほしいと言っても、全国的にそう簡単には手に入らない状態です。

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まずは足の部分から作っていきます。振分数珠は、浄名玉(浄妙、浄明と書く場合も)がある方が表になりますので、写真は裏側の足になります、この下にさらに絹糸を編み込んで房を付けていきます。
IMGP3768

両方の足ができたら、それらを途中に噛ませながら108の主玉と親玉、四天玉を通していきます。
IMGP3769

完成です。
IMGP3772

房の色はお客様も迷われた結果、白をオススメしました。
料理のお皿と一緒で、やさしい琥珀の色も一番引き立ててくれるのは白です。
「汚れるから」と敬遠されることが多い白ですが、毎日お勤めされるお坊さんなどとと違い、一般の方は実際に汚れる環境で使うものではありません。長いスパンで見れば確かに色褪せや汚れはありますが、それは他の色でも同じで、気になるほどになったら、取り換え替え時です。長期的に見れば房や紐は消耗品ですので。

最近、うちの作り置き商品でもほとんどこの房にしていますが、「松風房」といって、従来のものよりヨリが細く長めにできているためとてもしなやかに揺れてエレガントなのです。

お送りしようかと思っていましたが、ぜひ直接受け取りたいという希望で、再度江別までお越しいただきました。
思い切って選んでいただいたグリーンアンバーの念珠。
大変よろこんでいただけけました。

こんな時、本当にものつくり冥利に尽きると感じます。

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婚礼用念珠

6月は、ジューンブライドということなのか、婚礼用念珠の注文が続きました。
ジューンブライド自体はもちろん西洋の習慣で仏教とは関係ありませんが、その話はとりあえず横に置いておきます。

婚礼用の念珠は若いお二人のために作るので、華やかにできることも多く、またどこか「お揃い感」を出したりと考えるのも楽しい仕事になります。

こちらの男性用は、16mの特大紫水晶と人気の黒羅漢彫りをまぜて主玉として、さらに男らしく虎目石仕立になっております。
女性用は、希少なロードクロサイトと透明度の高い紅水晶を組み合わせて、男性用とおそろいの紫水晶を親玉に持ってきました。
紅水晶は、ローズクォーツと鉱物学的には同じ種類に属しますが、当店では濁りのあるものはローズクォーツ、濁りのない薄ピンクのものを紅水晶と分類しています。材料単価でいうと、5~6倍は違います。
新郎のお母様からの依頼で、「とっぽい息子」と、「とびきり可愛らしいお嫁さん」へということでした。

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こちらの男性用は大きめの鳳眼菩提樹を主玉にしています。年々産出量が減って、良質なものが手に入りずらくなってきています。
鳳眼自体は特に高価ではありませんので、その分道具には、豪華な大玉本翡翠を使用しています。「緑系で何かいい玉ない?」ということでしたので、大変喜んでいただけました。
女性ものは、新婦さんより具体的な要望があり、みかん玉の琥珀にピンクの房でというご注文でした。
通常、完成品の在庫にする場合は、灰桜色等、無難で落ち着いた色にするのですが、この度は、新婦さん向けのおめでたい念珠ですので、明るいピンク色を選びました。お届けした時にちょうどご本人にお会いできて、桐箱を開けると「わあ~素敵~」言ってもらえましたので、作り手としては何よりの喜びです。
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鑑定用ルーペを新調しました

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いままでは無メーカーの非常に安いものを使っていたのですが、新しくしました。
ビクセンのもので、メイドインジャパンです。やっぱり、レンズの歪みなんかは、全然違う。といっても、ルーペの世界にしては、さほど高いものではありません。高倍率ならなんでもいいかというとそうでもなく、10倍程度が使いやすいです。

基本的には肉眼でほとんど問題ないのですが、琥珀の圧縮物か削り出しかを見分けたり、その他水晶なんかも、玉の直径が8mm以下くらいになるとあった方が、楽に見えます。

鉱物鑑定士という資格がありますが、北海道では受験できません。1~9級まであって、最初は8級から受けなくてはいけません。飛行機に乗ってでも受けに行きたい気持ちはあるんですが、8級、7級だとほとんど小学生もたくさんいるそうで、基本的には、試験前の講習を受けていれば、ほぼ全員合格と言う試験です。そのために飛行機に8回乗って1級を目指すのはあまりに遠い道のり。試験費用の何十倍も交通費がかかるというのも、なかなか辛い話です。また、宝石鑑定士というのもありますが、こちらは、大変高級な資格で、受講するだけで数百万円かかってしまいます。しかし、ダイヤモンドやルビー等で念珠を作るわけでもないので、こちらも必要ないでしょう。

近年は、人工石や、エハンスメント、トリートメントされた石などが大量に出回っており、それはそれで正確な情報が得ることができればいいのですが、中には通称に問題があったり、販売者が勘違いしているもの、知らずに名前とは別物を扱っていることなど、混沌とした状態です。
独自に勉強して、正確な情報をお伝えしていくしかなさそうですね。

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北海道産ミズナラの念珠、完売御礼

2013年度の挑戦でもあった、道産木材ミズナラを使った念珠。
おかげさまをもちまして、「ほぼ」完売いたしました。STV札幌テレビ放送『S!チョイス』および『情熱市場』では撫順色(ぶじゅんいろ)の琥珀仕立、雑誌『northern style スロウ』 vol36では、金琥珀仕立を紹介させていただきました。テレビや雑誌のピークが過ぎても時々が注文が入る人気商品となりました。残っている材料は全てご予約いただき、男性用は手元の完成品1本のみとなりました。

うちのような規模の経営で同じ種類の念珠を数百本も捌くのは本当に大変なことで、本当にご愛好いただいた皆様に感謝するばかりです。
今後もまた新たな挑戦をしたいと考えておりますので、ミズナラに関しては、ひとまず生産終了とさせていただきます。
なお、道産ミズナラの玉を使ったブレス念珠に関しては、若干の在庫がございますので、ご興味ある方はお早目に問い合わせください。

開業当初制作したリーフレットに、「北海道を発信する念珠を作りたい」と書きました。
少しずつですが、実現しています。これからも、知恵絞ります。ご期待ください。

IMGP0890

 

 

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