白檀塗り
今日は、真宗大谷派のお寺で、巻障子の補修をしてきました。
真宗各派のお寺の本堂にある巻障子は御内陣(ご本尊を始め御荘厳のスペース)と外陣(参拝スペース)を仕切っている障子です。
引き戸ではなく、パタパタと畳める折れ戸になっているため、折障子と呼ぶこともあります。
そして、これには、真っ黒の漆で仕上げる場合、総金箔で仕上げる場合等がありますが、中でも最も手間がかかる仕上げが白檀塗りです。
通常、漆は下地を整えて、中塗りまでした後、上塗りで完成、または蝋色というさらに磨く作業があります。
白檀塗りとは、中塗りの後、一度金箔を押し、さらにその上から生漆(赤茶色に透けている)を塗って仕上げます。
こうすると、上塗りに透けるように奥の方で金が輝きます。これが非常に趣があって美しい。
ちなみに、香木の「白檀」とは特に関係はありません。
手間=コストなわけで、当然高上りではありますが、もう一つ欠点があります。
耐久性がないところです。上塗りの前に金を挟んでいるため密着性がなく、はがれやすいのです。
なので、永遠に補修し続けなくてはいけません。
それでも、白檀塗りは素晴らしく、多くのファンがいます。
写真でも結構赤が濃く見えますが、実際に近い色です。経年変化で、生漆は色が抜けてきますので、将来的にはもう少し金に近い色になると思います。
人間にとっては不快な湿度ですが、この湿気のおかげで、漆にとっては、短時間で硬化してくれそうです。