「おひたし」を真面目に作ってみる

高野山の精進料理の本をみていて気づいたことがあります。
葉物の「おひたし」って、やっぱり浸すんですね。
地域によっては、何おかしなことを言ってるのかと思われそうですが・・

北海道だけの習慣なのか、どうかわかりませんが、「おひたし」といえば、短時間で湯がいた葉をきゅっと絞ったものに、鰹節などをかけて醤油で食べるのが一般的だと思っていました。
でも、考えてみたら全然浸してないですよね。

というわけで、今日の夕食は真面目にお精進おひたしを作ってみました。

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浸し汁を先に作ります。
浸し汁の出汁は昆布ベースですが、素材があっさりなので、しいたけ出汁も混ぜると物足りなく感じませんでした。酒、みりん、醤油、ひと煮立ちさせて塩で味を調整し冷やしておきます。
熱湯で油切りした厚揚げ豆腐も合わせて、塩で湯がいた白菜を氷水でしめ、しばらく浸しました。

おひたしって、メニューにもう一品野菜をってときに、適当な葉物でぱぱっと・・っていうイメージでしたが、真面目に作ると結構な手間です。でもとっても美味しい。浸し汁までしっかりすすってしまいました。

真面目に作ったおひたしは、昆布としいたけの出汁、白菜の甘みを真面目に感じ取ろうとします。
本当に美味しい。マヨネーズと醤油で食べていたのはいったい何を味わっていたのか・・

精進料理ということで鰹出汁は避けましたが、鰹に含まれるイノシン酸や昆布のグルタミン酸と呼ばれる旨み成分は、母乳にも入ってるんですってね。赤ちゃんは、生まれながらにして旨み成分の味を知っているそうです。
手間暇かけた料理を味わうのは、そんな遠い記憶をたどる快感なもかもしれませんね。