菜の花をいただく

僕は、もともと料理が好きで、学生の一人暮らし時分でも面倒くさがることもなくむしろ楽しみながら、煮もの揚げ物なんでも作って食べていました。中華やいろんな西洋料理を楽しんで、最近になって、返ってきたのが和食です。

僕は殺生をするために生きてると言っていいほど、肉や魚が好きで、今もその癖は治らず、頻繁にお魚に包丁を入れます。
もちろんどんな魚も無駄にすることなく、刺身から焼き物、揚げ物、アラの出汁まで使い果たしていただきますが、本当はこんなに食べなくても生きていけますし、自分の好みのために魚の命を潰しすぎです。

そんなことをふと思い、お造りや通常の和食料理の楽しみは続けていくにしても、その中で少しでも精進料理を取り入れてみたいと考えたのでした。すると、今まであまり手に取らなかったような食材も、改めて使ってみようと思うようになります。

菜の花もその一つ。
正直、子どもが喜ぶような味ではないし、他の葉物に比べると高いです。
菜の花は辛子と相性がいいようで、辛子和えはいろんなレシピが紹介されています。

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精進料理ですから少量でも面倒くさがらずに昆布だしを取り、味噌ベースの和えタレを作ります。
本当は、塩分の少ない味噌をもう少し入れると良いようですが、普通の味噌しかないため、ちょうど良い味だと水っぽくなってしまいます。そこで、精進料理によく登場する、ごまを擦って加えました。軽くあぶった油揚げと擦りごまが水分を吸ってちょうど良い和え加減。辛子を少し多めに入れても、ごまがまろやかでとても食べやすいのです。

そのころ、隣で奥さんが揚げ物をしていました。
子ども達は、サツマイモの天ぷらが大好きです。
衣は、卵を使わない精進衣でしたので、これ幸いと、菜の花は半分天ぷらにしました。
サクッと上がる菜の花の天ぷらはとても美味しく、この春我が家の定番になりました。

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子ども達が菜の花を食べてくれることはあまり期待していなかったのですが、葉の方は苦みが少なく、特に天ぷらだとサクサク食べれるので、意外と喜んで食べていました。

近頃買っているのは四国産が多いですが、3月下旬には北海道の「雪割りなばな」もでてきます。
こんな風に野菜の旬を意識するようになるのも精進料理を実践する副産物です。

今日の北海道は地域によっては、また大雪警報がでています。しかし、春はもうすぐですね。