メリーシャカについて考えた

いつもであれば、毎日のようにどうしても今晩仕上げなくてはいけない作業でバタバタしているのですが、なんとなく、気持ちに余裕のあった昨夜は、「メリーシャカ」について考えました。

日本人にいつの間にか浸透したクリスマス。誰に聞いてもすぐに12月25日だと答えるだろうし、前日24日の夜「イヴ」は、大切な人と過ごす人も多いでしょう。どうしてキリスト教を信仰しているわけでもないのに、こんなに盛り上がるのかと元をたどれば、おそらくデパート等の仕掛けで、クリスマスを洋風でオシャレなイベントして仕立て上げられたのだと思います。同じような理由で、バレンタインデーや恵方巻なんていう習慣も、いつの間にか定着し、最近ではハロウィンも若者の間では、年中行事となりつつあるようです。そういえば、母の日にはカーネーションなんて誰が考えたのか・・、正月7日の七草粥、冬至のカボチャ等、日本古来の文化はどう見ても衰退の一途です。

そんななか、なぜか注目されてこなかったのが、お釈迦様の誕生日。諸説ありますが、4月8日ということになっています。宗派や地域、習俗によって灌仏会、降誕会、仏生会等、いろんな呼び方があります。一番、親しみやすい言葉で浸透しているのは、「花祭り」という呼び方でしょうか。

クリスマスの普及によって、キリスト教のすそ野が広がったか、理解が深まったかと考えれば、正直プラス要因はあまりないかもしれません。なので、もし、何かのきっかけで、若者が「メリーシャカ!」と声を掛け合って4月8日にパーティをするようになっても、日本の仏教界にとって好転の機となるかはわかりませんが、それでも、もう少し注目されてもいいと思うのです。少なくとも、仏教は人が死んだら必要なものだという大きな誤解は解けるような気がします。

戦後から長い間、西洋にあこがれてきた日本人は、むこうの文化をたくさん取り入れてきました。今や着るもの食べるもの、文化も習慣も西洋化してしまった日本では、逆に「日本らしさ」がかっこよく見えるという風潮も、若い人意識では俄かにあるようにも感じています。
教義を前面に出した普及を目指さなくても、なにか理由をつけて花祭りを楽しむという習慣が普及したら良いのにとも思います。

近頃の若者の○○離れは多岐にわたり、お酒も飲まない、車に乗らない、遊びに行かない、恋もしない、何をフックにしたらよいのか想像もつきませんが、何かいいアイディアないでしょうか。お釈迦様はインドの方ですので、札幌のスープカレー屋さん、なにか仕掛けてくれないかなぁ・・なんて期待しています。

北海道ではあまり見かけないですが、地蔵盆の時期ですね。仏教に関する年中行事というのは、意外とたくさんあるものです。