お香を詰めあわせ

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なんだかカラフルで目がチカチカしそうな写真ですが、お香の詰め合わせを作っていました。線香、焼香、焼香炭の組み合わせです。ちょっとしたお遣い物として、ご予算とご要望に合わせたセットをご用意できます。

仏事の焼香は、炭の上に刻みのお香をふりかけるので、お香の世界でいうところの空薫(そらだき)に近いたきかたをします。しかし、空薫の方法としてはこれは失敗で、急激に煙がでるだけで、良い香りはしません。
本当は香木の良さを引き出し、良い香りを楽しむためには、炭に十分に火が回ったら灰をかぶせ、お香は温まった灰の上でゆっくりと加熱します。
しかし、回し焼香などでそのようなたきかたをできるはずもなく、一般的には、宗派によって回数やいただくかどうかなど作法は違うものの、お香をくべることに関しては炭の上にふりかけるという意外決まり事の話はされません。焼香のとき、とにかく煙たくてかなわないという悩みは、言いずらいところですが意外と切実です。

今回は、京都の松栄堂さんの仄煙焼香(そくえんしょうこう)と呼ばれている、従来の焼香より煙を89%カットしたというものを詰めあわせています。現在の住宅事情などを考慮した商品で香りも控えにはなっていますが、ほのかな香りは荘厳で重みがあります。また、薫上がりは上質な灰になるため、香炉も汚しません。既成品の小箱では予算オーバーということで、業務用の大箱を小分けにして包みました。

ちょっとした大きな間違いで、線香の火種に刻みのお香を振りかける人がいますが、これはいただけません。焼香炭が無いので炭の代用として始めたのだと思いますが、線香自体がお香ですので、お香にお香で匂いもごちゃまぜになりますし、炭のように刻み香をうまく加熱してくれません。高いものではないので、法事などの際には、焼香用の炭も用意してください。

焼香は、お香をくべるという動作や煙を出すことが大事なのではなく、あくまで「香り」をお供えするのです。御堂や仏壇の立派な仏具やお飾りと同じく、目には見えませんが香りのお荘厳なのです。

線香やお香も、少しこだわってお好みの物を探してみることは、とても意義深いことだと思います。