念珠は、いつ買えばいいの?

「念珠は、いつ買えばいいの?」と、とても多くの方から質問されます。

「今でしょ!」ちょっと、古いか・・・
いや、でも本当にそうなんですよ。思い立ったが吉日とはよく言ったもので、念珠を買う日に良し悪しはありません。いつも質問された時には、「いつでもいいんですよ。」と答えます。

もう一つ付け加えるなら、「何もないときにこそ」と付け加えます。

今日のお客様もそうでしたが、身内が亡くなって、今夜お通夜なので慌てて・・という、駆け込み需要が少なくありません。単純に買い物という観点から考えても、どうしても今すぐといことであれば、種類も限られ、予算的な制約も大きく、「とりあえず」というものになりかねません。もちろん、近しい方が亡くなったのは悲しいことですが、その縁に導かれて念珠を用意しなければと思いついていただいたことは、素晴らしいことです。
ただ、もっというと、念珠はお葬式の道具ではなく、常日頃から合掌の手にかけてほしいものです。だから、何もなくても、何もない感謝の気持ちをもって合掌するときには念珠は必要なんです。

「何もないときに念珠を用意するなんて縁起でもない」なんて言う方もいますが、上記のような理由から考えると非常に仏教的はではないことはわかっていただけるでしょうか。

しかし、それこそ身内が倒れてから、そろそろ用意しておかないと・・なんてことはできませんので、みんなが元気な時こそ、良いものをじっくり選んでいただきたいと思っています。

そういうことですので、入学や就職の記念に、ご結婚の記念になど何かの節目に合わせて念珠を用意するということでもよいかもしれません。昔は、嫁入り道具の一つとして一生ものの念珠を持たせるということも、わりと普通にあったようです。

辛いことがあったから用意した念珠ではなく、仏教を嗜む準備ひとつ整ったということで、喜んで手にしていただきたいと思っています。そして、生き残ってしまえば必ず遇っていかなければいけない、大切な人とのお別れのときには、手になじんだ念珠をおかけてお参りしてください。

うんちく

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