念珠入れを扱う難しさ

念珠入れの仕入れ先の問屋さんから連絡がありました。
発注していたメーカーの下請けが廃業したので用意できませんという旨。

こんな1000円台で販売できるくらいものが、

お客さん←長岡←問屋←メーカー←下請け

という構図になると、下請けの従業員やさらに念珠入れの生地を提供している会社なんかは、どういう環境で仕事をしているのかと思ってしまいます。
どうしてやっていけるのか不思議だ・・って、思っていたら、廃業だそうです。

中国やタイ、バングラディッシュ製の格安な服なんかは、ほとんどそういうことなんでしょうね。
念珠入れをご注文頂いていたお客様にも申し訳ないし、なんだか世の中の物流事情にも残念な気持ちになってしまいます。

似たようなものが安く売られていれば、当然そちらへ流れるのがマーケット心理です。
最近では東南アジア製でも非常に作りがしっかりしていて、高級品がいくら高品質と言っても、実用的に用が足りてしまえば、安い外国製の方が売れてしまうのは当然です。

いっそのこと、多少高くても作り手の顔まで見える念珠入れに商品構成を絞るか、フェアトレード品ということで、作り手に還元できるシステムを考えるか・・どちらも難しいことです。

「お客様は神様」という時代はそろそろ終わりにして、みんなが幸せになっていける世の中を考えたいものです。念珠本体は、僕の手間代を削れば、今のところ安くご提供できていますが、このように完成品の仕入れに頼るものは、物流の過程でみんながいくらにもならない薄い利益を取って、さらには作り手をつぶしてしまうようなことが起きています。

今や欲しいものがあればネットで検索して、あっちの方が安い、こっちの方がサービスが良いと比べるのは簡単です。一見消費者にとって恵まれた環境になったように思えますが、それで社会が幸せな方向に向いているのかと問い直せば、いささか疑問がのこります。