『法華経が好き!』著 露の団姫

少し前に買った本でしたが、年末のバタバタで読み切ることができず、年越ししながらやっと読むことができました。

日頃より各宗派それぞれにお付き合いはございます。しかし割合で言うと、浄土真宗が多く、必然的にお経といえば浄土三部経、そして日々のお勤めといえば正信偈に触れる機会が圧倒的に多いのであります。
数あるお経の中でも「法華経」というのは、非常に人気がありまして、法華経を拠り所としている宗教は多いのですが、なかなかじっくり触れる機会がありません。どんだけいいもんか読み下してみたいと思いがずっとありました。時々、下手に「法華経を勉強したいんです」的なことをほのめかしたもんだから、日蓮宗の方からたくさんの難しそうな本や資料などをいただいたものはあったのですが、学校の教科書ではズブの素人がなかなか読み進めることができずにいました。

そんな中で出遭ったのが、こちらの『法華経が好き!』

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僕のファーストコンタクトは書店の平置きで、このキュートな尼さんの表紙。
煩悩だらけで、よく書店の宗教コーナーにいる僕が見逃すはずがありません。
続けて、彼女のブログやツイッター。そうこうしているうちに、テレビでも見かけるようになり、すっかり有名人の様ですね。いや、すでに有名人であり、そもそもそれだけの素質があったからこそ出版社より声がかかったんでしょうけど。
天台宗僧侶であり、落語家であり、奥様であり、1児の母でもある、露の団姫(つゆのまるこ)さんです。

大学の先生のような専門的なことはかけないが、法華経モニターとしての感想を聞いていただけるような本、とまえがきで語っていますが、十分専門的な入門解説書としての役割を担える本だと感じました。とはいえ、大阪弁ジョークを交えながらの本当に読みやすい内容です。まさに「法華経のレビュー」というのがぴったりの内容の本かもしれません。

僕が個人的に感じたことは、あの大人気を誇る法華経に触れる足がかりとなったという意味で喜びが大きく、本の中でも少し触れられていますが、普段なかなか接点がない「お題目」と「お念仏」の繋がりにも興味を持ちました。法華経とは、本当に良くできているんだなぁとただ感心するばかり。ファンが多いというのも、うなずけました。

医療の世界では、「セカンドオピニオン」ということが一般的になりつつありますが、仏教ももう少し多角的に味わえる環境があればいいのになと感じました。
決して「浮気推奨」という意味ではありません。家に閉じこもって、「私の結婚ってなんだったんだ・・・」とふさぎ込むよりも、たくさんの方と交流をもって「うちの旦那様ってなんて素敵なんだろう!」ということを確認しながらすごした方が幸せであるように、宗派も正直なところ世襲でたまたまというご縁を持たれた人がほとんどかもしれませんが、本命を踏まえたうえで、いろんなお話に耳を傾けてみることで、また両者の魅力が見えてくるかもしれません。

選挙も近頃は投票率が悪く「誰に入れていいかわからない」「とくに選びたい人がいない」なんて声をよくききます。宗教も信仰の義務はありませんが、こんなにもいろいろと幸せに生きる智慧、豊かに生きる慈悲が転がっているのにもったいない。(転がっていると言っては失礼ですが、それを拾う権利は誰にでもあるのです。)

露の団姫さんが落語を通じて法華経の魅力を伝えたいというのと同じように、僕は念珠を通じて、皆様の仏教ライフを演出したいなと思っています。

 

 

 

うんちく

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