良き思い出に残る念珠

一般的な念珠から連想するイメージといえば、お葬式や法事、つまり人の死に関係ある場合が多いでしょうか。過去には、「何もないのに念珠を買うなんて、縁起でもない」と言われたこともあります。

しかし、それは大きな間違いです。念珠だけでなく、仏壇、仏具に関しても誰かが死んだら用意するものではありません。日頃より、仏様をお迎えするためにあるのが仏壇であり、いつでも合掌するときに手にかけるのが念珠です。ただし、身近な方が亡くなったことを縁として、これを機に仏壇や念珠をそろえるということはもちろん悪いわけではありません。そういうときでないと、なかなか向き合えないというのが、残念ですが現実でもあります。

もちろん仏教徒にもおめでたい席はあります。
この度は、お父様からこの度結婚される娘さん夫婦への御祝として、大変立派なお念珠をご用意させていただきました。

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男性用は琥珀、そして女性用はルチルクォーツです。
どちらも、簡単には手が伸びない高級材です。
房はお二人そろって持っていただけるようにカラシ色を基調としてそろえてあります。

日頃より修理の念珠もたくさんお預かりしますが、中にはハッと目を引くような立派ものがあると、「私が嫁に来るとき持たせてもらった」と語られることが多いです。

御祝の品として念珠を送るのは、大変意義深いことですね。房を編みながら、若いお二人の幸せを念じます。
一生ものとして末永くお使いいただきたいと思います。

 

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