良い念珠を持ってほしい その1

良い念珠とは

「良い念珠」の定義というのは、難しく繊細な問題もあります。

まず、わかりやすいのは、物理的に良質なものです。素材の質が良く、玉の加工が良く、仕立てが良いもの。当然値段はある程度は高くなってしまいます。

プラスチックや樹脂製がダメか?聞かれたら、それが悪いとはいいません。しかし、一生使えるかというと、房の交換などせずに使い捨てにする前提で作られていますし、うちではオススメしません。

良い意味で「気持ちの問題だから質は関係ない」という方もいますが、僕の考えとしては、念珠は「身だしなみ」という意味合いも強く、人は想いを形にすることで改めて自覚する面もあるので、身だしなみを整えることは大切だと思うのです。

たとえば、ビジネスマンの世界では髪型、服装、使っている財布やペンの質まで良いものを求めることは、信頼を得るツールであり自分のモチベーションを上げる方法でもあります。女性の化粧やアクセサリーだって同様です。

実際の現場で見かけるタイプ

ところが、お葬式会場に行くと立派な礼服に高級そうな革靴、ブランドの腕時計をしているのに、房もすっかりくたびれたプラスチック製の念珠を持っている方は意外と多く見かけます。

お金さえかければ良いという意味ではなく、バランスの問題です。この例で考えると、ほかの部分は立派なものを身に着ける余裕があるのに、明らかに念珠に関しては無頓着なことが伺えます。

それなりの場所で、子ども向けのプラスチック腕時計をしていたらおそらく気になるでしょうし、時計本体は立派なものであってもバンドの革が剥がれてボロボロになっていたら、恥ずかしいと感じないでしょうか。

不思議と念珠の場合は、とても恥ずかしい状態でも平気で使っている人が多いです。
安価なものでもいいのですが、明らかにないがしろにしている印象なのは、見ていて気持ちの良いものではありません。

写真は同じ念珠です。少し気を付けるだけで、こんなに違います。
あなたがお持ちの念珠はどちらに近いですか?

房を整えることは最低限の身だしなみ

前回の法事から念珠袋に入れっぱなしで、急なお通夜で取り出してみると、房がコッタコタに折れ曲がっていたという経験はないでしょうか。

癖のついた房
癖のついた房
水晶切り房
整った房

こんな時は、お湯を沸かして蒸気を当てながら少しテンションをかけて整えることで、きれいに伸びます。(いずれ詳しく解説したいと思います。)玉の間や、房の付け根など、切れかけた部分があるときは切れる前に仕立て直しをお勧めします。房の汚れ、変色、色あせは、新しい房に交換しなければいけません。

みなさんも、何もない時こそ、ちょっと気にしてお手持ちのものが「良い念珠」かどうかチェックしてみてくださいね。

~~良い念珠の話、その2に続く

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