良い念珠を持ってほしい その1 全3話(の予定・・)
「良い念珠」の定義というのは、難しかったり、繊細な問題もあります。
まず、わかりやすいのは、物理的に良質なものです。素材の質が良く、玉の加工が良く、仕立てが良いもの。当然値段はそれなりに高くなってしまいます。
良い意味で「気持ちの問題だから質は関係ない」という方もいますが、僕の考えとしては、念珠は「身だしなみ」という意味合いも強く、人は想いを形にすることで改めて自覚する面もあるので、身だしなみを整えることは大切だお思うのです。
たとえば、ビジネスマンの世界では髪型、服装、使っている財布やペンの質まで良いものを求めることは、信頼を得るツールであり自分のモチベーションを上げる方法でもあります。女性の化粧やアクセサリーだって同様です。
ところが、お葬式会場に行くと立派な礼服に高級そうな革靴、ブランドの腕時計をしているのに、房もすっかりくたびれたプラスチック製の念珠を持っている方は意外と多く見かけます。
お金さえかければ良いという意味ではなく、バランスの問題です。この例で考えると、ほかの部分は立派なものを身に着ける余裕があるのに、明らかに念珠に関しては無頓着なことが伺えます。
前回の法事から念珠袋に入れっぱなしで、急なお通夜で取り出してみると、房がコッタコタに折れ曲がっていたという経験はないでしょうか。
こんな時は、お湯を沸かして蒸気を当てながら少しテンションをかけて整えることで、きれいに伸びます。(いずれ詳しく解説したいと思います。)玉の間や、房の付け根など、切れかけた部分があるときは切れる前に仕立て直しをお勧めします。房の汚れ、変色、色あせは、新しい房に交換しなければいけません。
みなさんも、何もない時こそ、ちょっと気にしてお手持ちのものが「良い念珠」かどうかチェックしてみてくださいね。
~~良い念珠の話、その2に続く