明治から昭和の小説・随筆・詩歌に描かれた数珠を、念珠職人の目で読み解きます。
夏目漱石『こころ』の「先生と遺書」に、Kが手首に数珠を掛け、日に何度も珠を数えていた場面があります。真宗の寺に生まれたKが、なぜ数を数えたのか。念珠店の目で、あの短い一節を読んでみます。
かつての町では、人が亡くなると近所の人々が集まり、大きな数珠を回しながら念仏を唱えました。『銭形平次捕物控』や永井荷風の作品に残る「百万遍」の風景をたどります。