念珠屋が想う、イベント出店の意義

※(当ブログでは、念珠=数珠として書いています。文脈上の理由などから混在することがありますが、ご了承ください)

暑い日が続きますね。

今年(2017年)も、第二回目になるサッポロ・モノヴィレッジに出店することになりました。イベント自体は、昨年の初開催が大成功を収めたこともあって、今年は応募多数のため出店できない方もいたようです。

サッポロ・モノヴィレッジに関する記事はこちら

近年、考えていること

昨年が初開催だったサッポロ・モノヴィレッジですが、数年前から考えていたことがあります。

出張出店という形態自体は、創業当時から各お寺でやらせていただき、おかげさまで今や毎年恒例になっているお寺もたくさんあります。もちろんそれは有り難いことですし、対象となるお客様も自動的に日頃から熱心にお寺参りをされるような方ばかりということになります。

あるときから、お寺とは無縁の場所にも頑張って出店しようと思い始めました。

統計を取ると全体の来場者と、うちのブースに立ち寄ってくれた人の割合を計算すると2%未満という事がわかりました。

98%の人は念珠に興味が無い

高級店や個人店舗と違ってブース型のイベント出店ですと、買わずに店を出ずらいと言うこともありません。一応一通りは見て回るという人が多い中、98%の人は念珠屋だと認識した時点で見向きもしないという衝撃のデータでした。

少なくとも、手作り品など少なからず興味がある方が集まっているイベントでこの割合ですから、一般的に念珠に興味があるという人は1%(100人に一人)程度と考えています。

ニッチかマスか

マーケティングの世界では、なるべく多くの人が興味のあるものを売るか、ごく一部の人のためにものを売るかという考え方があり、どちらもメリット・デメリットがあります。

念珠をメイン商品とする時点で、どう展開しようとニッチ(ごく一部の興味がある人のみ)の中で仕事をしていたわけです。

98%の中に埋もれる潜在ニッチ

では果たして、98%の中からお客様を掘り起こすのは不可能でしょうか。

答えはNO(ノー)で、常識が崩れてきたとはいえ、まだまだ多くの方は念珠を必要とするときはありますし、何かのご縁がもよおして念珠をお求めになられる方は、みなさんこう言うのです・・

こんなにカワイイ念珠が色々あるなんて!

「何もないけど念珠を用意しておくべき」と気づいて当店を見つけてくださった多くの方が、このような反応をします。

お買い求めになったり、修理やリフォームの相談をする際いは、念珠そのものの話はもちろんしますが、仏教全般のこと、お寺のこと、お坊さんのこと、家族や親戚のこと、いろんな事が話題になります。
そうして、家族でも死なない限り自分には関係の無いと思っていた仏教の世界が、少しでも身近に感じていただけると嬉しいと考えているのです。

たしかに最愛の人の死は強烈なご縁となり得る可能性はありますが、それに乗っかった商売が多すぎて、「誰かが死んだら仏教」のような感覚が常習化しているのだと思います。

葬式仏教の批判ではなく、それだけじゃない仏教の入り口もあって欲しいと思っているのです。

楽しい念珠から始まるご縁

念珠を売ることは1~2%の人しか相手にできないのではなく、98%も伸びしろがある商売だと最近は感じています。

そして、うちで念珠を買わないまでも「へぇ~、念珠屋さんね・・」と思った方も含めて、仏教はちょっと面白そうという入り口になって欲しいと思っています。

イベント出店という絶好の機会

昨年のモノヴィレッジは、約3万8千人の来場者があったそうです。僕の計算が正しければ、その1~2%といえばは500人程度。ブースに立ち寄ってくれた人をカウントはしていませんが、けっこう当たっている数字だと思います。

当日まではこんなところに出店して場違いかと不安だったのですが、蓋を開けたら良い意味で裏切られました。「言われてみれば、欲しかった」という人が、どれほど多いことか。

通りすがりでも立ち止まりたくなる念珠屋にするために、今年はどんな仕掛けをしましょうか。1000人、2000人の方に見ていただけるよう、できる限りの準備はしたいと思っています。

お越しの際は、ぜひブースにお立ち寄りくださいね。
夏バテしないように、8月は元気に札幌ドームへお越しください。

サッポロ モノヴィレッジ公式ほホームページ