息子が念珠作りに挑戦

職業柄、身内の仏事以外でも、お付き合いのお寺へ家族でお寺参りということは珍しくありません。3人の子ども達には、それぞれ子供用に小さく作った単念珠を持たせていたのですが、現在、小学2年生の長男が少しきつくなってきたということでした。たしかに、そろそろ大人用を持ってもいい手の大きさに、いつのまにか成長していたのでした。

自分で作ってみたいというので、材料選びからすべての工程を自分で挑戦してもらいました。

せっかく念珠屋の息子である特権ということで、高級材も含めて好きなものを選び放題。普段のジャージやスニーカーでも好んで黒×金という組み合わせを選ぶ長男の目に留まったのは、ゴールデンオブシディアンという天然石です。黒曜石の一種で、全体は黒なのですが、光の角度によっては金色のシラーと呼ばれる輝きが見えます。金の黒曜石ということで、金曜石と表記していることもあります。しかも、男性用としてもやや大振りの20玉仕立て。一般の人ではなかなか手が出ない高級品ですが、大事に使ってもらうことにしましょう。

もちろん紐の色選びも自分でやってもらいます。メジャーを使って長さを図り切り、紐の下処理をして通していきます。
一度作ったことのある方ならわかると思いますが、T字の穴が空いている親玉通すのはなかなか苦労します。15分程経過しても通せないので、3秒で通す職人芸をひけらかして、また抜いてしまいます。今回は最初から最後まですべて自分で作るのが目標です。

20分以上格闘して、なんとか先へ進むことができました。玉の配列を確認しながら残りの玉を通していきます。

ren

紐の処理から玉を通すまで約30分。
紐房の単念珠ですので、ここから飾り編みをしていきます。

縛り方や編み方は一度教えると、手を貸さなくても一人で淡々と進めていました。
編み上りは、つゆ結びをします。ワークショップを開くと、ここで結構苦労する人も多いのですが、意外とすんなり。

最後にがっちり締め上げて、余ったひもを切りそろえて完成です。

IMG_3885

正直、驚きました。普段見ていないようで見てるのか。おおよその手順も把握してるし、編み上りもきれいです。最初から最後まで、全工程で手を貸さずに作りました。
ま、うちの商品としては出せませんが、自分で使うには市販品と遜色ないくらいの見栄えにはよくできました。

結局、1時間くらいかかったでしょうか。上手く通せないだの、手が痛いだの、大騒ぎしながらでしたが、最終的には立派に仕上がって本人も大満足です。