おばあちゃんが残す、形見の子供念珠

3、40年前に買ったという赤珊瑚の二輪念珠をお持ちのお客様で、これをバラシて、3人の孫娘さんにプレゼントしたいというご要望でした。
仏教関係の雑誌に乗っていた写真を見本に「こんな感じにしてほしいんです」と、まるで美容室のようなやり取りです。片手タイプで小田巻梵天を付けます。

何か道具(親玉、ボサ、二天玉)になる玉が必要でしたのでお尋ねすると、ルチルクォーツのリクエストでした。できるだけ上等なものということで、上級クラスのものを取り寄せました。当然値は張りますが、金線がびっしりで、とてもきれいなルチルです。
ところで、この真っ赤な珊瑚というのは、現在非常に手に入りにくくなっています。その原因は正確には把握できていませんが、とにかく材料メーカーにリクエストしても仕入れることができない状況です。もちろん昔は安かったというわけではなく、中古の自動車が買えるくらい非常に高価なものだったと思います。
白珊瑚、ピンク珊瑚については安いものではりませんが、赤程希少ではなく、現在でも制作可能です。

赤珊瑚に最上級のルチルクォーツ。小さなお子様に持たせるには不安なほど超高級な子供念珠ができてしまいました。
これは単に所有物の相続だけでなく、仏法の相続であり、布教でもあります。これを受け取ったお子様たちもいつか大きくなって、その大きな想いに気付く日がくることでしょう。

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