脚下照顧~心が揃わない子ども達~

うちの3人の子ども達は、「ただいま~!」と元気に帰ってくるのはいいのですが、脱いだ靴はいつもとっちらかし。揃っていないという程度ではなく、どうやったらそんなところまで飛ばせるのかという状態がいつも気になっていました。「ほら!靴は?」「玄関みといで!」靴のことだけでも、一日何度も何度も言うことが常でした。

有名な「脚下照顧」という言葉があります。「看却下」もおおむね同じ意味と受け取っていいでしょうか。禅宗のお寺に行くと、よく玄関に書いてあったりします。本来は、単に「足元を見なさい」「靴をそろえなさい」といううわべの標語ではなく、もっと深い言葉ではあります。藤本幸邦師がとてわかりやすい言葉で詩にしてくださったものがあります。

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はきものを そろえると 心もそろう
心がそろうと はきものもそろう

ぬぐときに そろえておくと
はくときに 心がみだれない

だれかが みだしておいたら
だまって そろえておいてあげよう

そうすればきっと
世界中の 人の心も そろうでしょう
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事実、近頃乱れているのは「はきもの」だけじゃないなぁと感じることが続きました。

「脚下照顧」を玄関のどこかにずっと設置したいと思っていたのですが、少しでも子ども達にも伝わるように藤本師の言葉を冒頭の部分をお借りして、玄関に掛けることにしました。

幼児~小学生の子ども達にどこまで伝わるかわかりません。むしろ明日からも相変わらず、脱いだ靴をふっ飛ばしては注意されるの繰り返しというのは想像に難くありません。それでも、怒られてから、この額の下で靴を揃えるのは、悪くないなあと思うのです。

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