春らしい念珠を。

春ですね。北海道も昨日はダメ押しの雪が振り、少々積雪もありましたが、その雪も晴れて、今日からは、やっと春に近づいていきそうな気配です。

「念珠は何本も持つものでない」というイメージの方が意外と多いようです。
もちろん、うれしい時も悲しい時もこの念珠しか使わないという、一生もののお気に入りがあることは素晴らしいことです。しかし、お祝いごととお葬式では、使い分けたいところですし、季節によって使い分けるというのも粋です。

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この時期は、春らしい色合いの玉に明るい色の房を付けたくなるものです。

あまり知られていませんが、念珠の房というのは、春夏秋冬の季節ごとに別れており、たとえば春なら、桃色、藤、うぐいす、夏なら夏虫、白蘭、秋ならぶどう、えんじ、茜、冬ならトビ、ひわだ、琥珀などがあげられます。

色の和名というのは面白く、その時期に咲く花や民俗由来によるものもあり、昔は季節と色を楽しんでいた様子が伺えます。
春はピンクや新緑系の色が多く、夏は青系の涼しげな色、秋は赤や紫系になり、冬は黒や茶の色が増えます。

とはいえ、一般の方が、最初から何本もというのは難しいと思うので、たとえば、大切な方の命日に合わせて季節らしい念珠をというのも、ひとつの選びかたかもしれませんね。春彼岸、お盆、秋彼岸と使い分けるのも、とても粋で素敵だと思います。