正絹の糸もいろいろです

念珠を作るには、いろいろな用途で糸を使います。

房も糸を束ねたものですし、房を付けるための軸にも糸を使います。
全く撚ってないものを使うこともありますし、撚糸を束ねて使うこともあります。
今まで市販されてきた念珠も、絶対にこうという気まりがあるわけでもなく、どうするのが正解なのかはっきりした答えが分からないでいました。しかし、最近になって糸やさんから得た情報で、昔から糸の使い方というのは、あらゆる用途の専用のものがあるわけでなく、手に入るもの、すでに手元にあるものを撚ったり束ねたりして強度や見栄えを考え、工夫して使われてきたということなのです。
それをきいてやっと納得しました。念珠の糸の使い方も、これが正式ということがあるわけでなく、あらゆる状況に柔軟に工夫できることの方が大切なのです。そう思うと、作り手が違ったり、玉の状況が変われば使われる糸もまちまちということにも頷けます。

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商品として新品として用意するものは、ある程度は規格化できますが、うちのようにほとんど修理の仕事の方が多い場合、もともとのメーカーも違えば、時代も地域も違います。同じやり方ではどうしてもうまくいかないことも多いのですが、最近ではあらゆるパターンに応用が利くようになってきました。

それにしても糸もたくさんの色があります。
写真はすべて正絹のものです。一般的なミシン糸なんかはポリエステル製でそちらはもっと色数が多いですが、うちでは使いません。

先日、青いドレスが白く見えるという写真が大きな話題となりましたが、人間の思い込みや錯覚というのは本当に侮れず、色の問題というのはなかなか尽きません。色見本の実物を見ても、他人とは違う色を見ている可能性もあるっていうことですからね。