「貴社のサイトを検索上位にします」という話

近頃、3日に一回くらい、同じような電話がかかってきます。いわゆるSEO対策の営業です。
つまり、googleやYahoo!で検索したときにより上位にでるように対策をすることで、ホームページやネットショップのアクセス数を増やしてくれるというサービスです。

そもそも、ひねくれ者の僕はSEO対策という考え方自体に疑問があります。
「貴社のサイトは、「数珠 通販」というキーワードで49番目でした。」ということですが、いったい何番目まで営業の電話をしているんでしょうね。もちろん、検索1位のサイトに営業する必要はないでしょう。そして、同業の念珠屋さんにどれくらい営業しているんでしょうか。もし、2件以上の契約がとれた場合、どちらを上位にしてくれるのでしょうか。また、この業者が優秀で、すでに検索1位の念珠屋さんと契約していた場合、新規客は絶対に2位以上にならないということも考えられます。同業者の契約数が100件あれば、100位以上にならないということです。
いわゆる、パラドックスというやつですね。一番有名な古事は「どんなものも貫く矛」で、「絶対に破られない盾」を突いたらどうなるかっていう矛盾です。

まあ、そんな意地悪を言って営業電話を断っているわけではないのですが、念珠を売るという点から、現在はSEO対策というものに必要性はあまり感じていません。たしかにアクセス数は店舗営業でいうと来客数に相当し売り上げに比例するのかもしれませんが、それは確率の問題であり、仕事の質まで考慮されません。粗悪品でも安物でも偽物でも、とにかく売り上げを伸さないと、資金が回らないという商売をする方がいます。そういう方には、アクセスアップは有効かもしれませんが、それはお客さんの質を下げ、業界の質を下げ、仕事の質を下げることだと思っています。業者にSEO対策をお願いするということは経費がかかり、それだけ、商品価格に載せる必要もあります。数を回せば人手が必要になります。質の悪い仕事の量を増やすことは経費がかさみ、やればやるほど利益を薄くする確率があがります。それゆえ、「高かろう悪かろう」をいかにごまかしてぼったくるかと、腐敗してきたのが仏壇仏具の業界です。時代がインターネットという要素を増やしただけで、過剰広告、不要な飛び込み営業の経費を取り返すような仕事は失敗だったということを、すでに今までの方が示しています。また、うちの客層を考えると、ほとんどがお寺と、そのお寺に来られるお参り常連の60~70代の方です。検索して上に出てきたところから買うという発想とは一番遠い層のような感じもしています。

営業電話って昔はかなり理論武装をしたオペレーターで結構しつこかったような気がしますが、最近は僕がひと言しゃべると、向こうから電話を切ります。僕がよほど偏屈になったのか、今時まだ「数撃ちゃ当たる」商売をしているのかわかりませんが、それまたずいぶん無駄なことをしているなと感じます。

とりあえず、うちは49番目だったそうです。googleは、10件ずつ表示されます。
みなさんも、念珠に限らず、リフォームでも、介護施設でも、学習塾でも、ネットで良い業者を探す時には、1ページ目を鵜呑みにせず、5ページ目くらいまでは、よく吟味した方が、良いところがみつかるかもしれませんよ。ネット検索よりも、信頼できる人脈に勝るものはありませんけどね。

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