念珠をアートとして楽しむ

念珠は以外と自由

仏教の法具と言うだけで、非常に保守的なイメージがある念珠ですが、実はもっと自由だということが、今まで蓄積された情報からわかってきました。
作法としての決まり事も意外と曖昧なことも多く、歴史的に見ても随分形を変えてきました。それは仏教的な意味合いだけでなく、単に実用的だったり、デザイン的なトレンドという流れもあるようです。

新素材という発想で新しい念珠を考えると、それは非常に道のりは遠く、商品化は困難なことではあります。しかし、既存の素材だって、数えきれないくらいあるわけですから、その組み合わせ方、使い方次第、無限の可能性で楽しむことができます。その感覚はもはやアートの世界だと考えても良いのではないでしょうか。

アミ紐で蓮如結び風に

蓮如結びのアミ紐

この写真は、僕がここ数年自分用として使っているものです。
玉はシャム柿という、珍しくもない木の玉ですが、紐の結び方で遊んでみました。

つゆ結び、蓮如結び、角編み、釈迦結びというのを組み合わせて作った、創作結びです。

編み方にルールがあるわけではありませんが、一般的なものは、角編み、つゆ結びのみで作られます。

蓮如結びというのは、正確にいうと結び方も少々違うのですが、本願寺の8代目である蓮如様が考案されたということでこの名前がついています。

現在は真言宗の形といわれているものが、念珠としては一番古い形に近く基準にされます。例えば日蓮宗はよりお題目を数えやすくするための形に派生しましたし、浄土真宗の場合は数を取らせないために、玉の数を減らしました。結び方の理由までは残っていませんが、玉がなくなった軸足の部分に飾り結びを施したのが蓮如結びと呼ばれています。

本来は浄土真宗の僧侶向け装束念珠に使う結び方ですが、遊び心で単念珠にも入れてみました。

実用的であることは必須条件

念珠は手に掛けて使います。それも、静かに合掌に掛けるだけならいいのですが、念珠入れ、袂、ポケット、鞄の中など、形を変えながら持ち歩かなくてはいけません。

ですから、その結び方は、水引アートと違い見た目に美しいだけでなく、実用的にも動かしても型崩れしずらいということも必要です。
3年間ほど、ずいぶん使いこんでいますが、ほどけることもなく、全く問題なさそうですね。

Web3とNFT(2023年5月追記)

上記の記事は、9年前に書いた文章です。

写真を載せた念珠は、コロナ禍でお寺参りが減ったこともあり、以前ほど使い倒してはいませんが、10年以上経っても、型崩れすることなく残っています。

時代は進み、僕は最近、Web3の世界に感心が向いています。とくにNFTアートに夢中です。

急にNFTといわれても「???」となってしまう人が大多数だと思います。ここでは詳しく説明しませんが、きっと世界を変えることになると思います。

現在制作中のNFTコレクションの名前は、なんと「NENJU art」。これは、改めてNFTを始める際に絞り出したネーミングでしたが、10年前にもアナログな世界で同じようなイメージがあったことに、自分でも驚いています。

完全に斜陽産業だった念珠業界は暗い話題ばかりですが、僕はまだまだ未来を向いていきます。

NENJU art tamakazura

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