香木かも?真言宗の数珠修理

わからない念珠の素材

伽羅(きゃら)かもしれない

かなり使いこまれた玉でした。ひょっとして伽羅じゃないかと思うとドキドキします。
新調しようと思ったら大変な額になります。伽羅だったら一粒でもうっかり割ってしまったら、弁償できません。

たぶん沈香(じんこう)、でも・・・

沈香の念珠というと、すぐに匂いを嗅ぐ人が居ますが、沈香は常温では匂いはしません。

ところが、この数珠は結構匂いがするんですよ。それで伽羅かもとおもったのですが、ここまで良く匂わないだろうし、おそらく沈香でオイルを擦り込んだものだと思います。沈香自体も偽物ではなくても、さらに常温でも匂いがするように沈香から抽出したオイルを擦り込んでしあげてあるものが結構あります。それでも、非常に高価なものであることには違いありません。

とにかく修理です

真言宗の念珠

もともとついていた、カラシ色になるべく近い正絹糸を編み込みます。

真言1

真言宗はいわゆる振り分けと言われる形で、両側に2個ずつ計4個の梵天房が付きます。梵天糸を刈りこんで作る昔ながらの梵天房は、どうしても型崩れしたりしやすいということで、特にご指定がなければ、一般の方には下の完成写真のような小田巻梵天をお勧めします。(真言宗の中でも僧侶が本山出勤する場合など、菊房指定になることがあるようです。)

定着していない新しい梵天の形

小田巻梵天、釈迦梵天、かがり梵天等、色々な呼び方があり、歴史も浅いものですので、どの呼び方が正式というわけではありません。統一する機関もありませんので、業者ごとになんとなく並行して様々な別名が使われていくと思います。
凝ったものになると、このようにモンキー結びで糸を回したものだけでなく、菊や蓮の花を模して編み込んだものもあります。

真言2

もともと、かなり大きめの房を付けておられましたので、標準よりもずいぶん大きな房を付けました。