数珠が切れた!どうしたらいい?

念珠を購入するときに、「高いものは、絶対切れませんか?」という質問が意外と多いです。

そんなときには「いずれは必ず切れるので、修理が必要です」とお答えします。

念珠は壊れる

壊れない車はない。切れない念珠もない。

「高いものは、絶対切れませんか?」というのは、「高級車は絶対に壊れませんか?」という質問と同じです。

確かに程度の悪い中古車よりも、ある程度の値段の車の方が壊れる可能性は低かったり、軽自動車よりも高級車の方が、コストよりも耐久性や安全性を重視した部品を使ったりしていることはあります。

しかし、「絶対に壊れないか」と言われたら、それはあり得ない話で、いずれは「絶対に壊れます」故障率100%です。

念珠も同じで、使用期間に大きな差がありますが、必ずいつか壊れます。

念珠の修理が車とは違うところ

念珠は、玉の部分(木、天然石など)と、繊維の部分(糸、ひも、房)で構成されています。

これは、高級念珠でも、安価な念珠でも、大きな違いはありません。

(そもそも、仕立できない人が作っている形の念珠も少なからず存在しますが、当店では扱っていません。)

一般に、木玉でも普通に使っていて100年で腐って崩れる事はないでしょうし、天然石に至っては、表面のツヤがなくなったりキズはできますが、素材自体は1000年経っても人の見た目にわかるほどは変化しないでしょう。(確認する術はありませんが・・)
もともと地球と一緒に形成されてきたようなものですからね。

しかし、房や糸などの繊維部分は、そうはいきません。
ハードに使い倒す方ですと、1年もしないで切ってしまいます。

腕輪念珠でも、毎日ずっとつけているという方は、短期間でゴムが劣化してきます。

念珠の寿命

一般的に、どういう感覚かというと「数年で壊れるようじゃ困る」という方もいますし、「結婚したときに持たされて、あれから30年」方もいます。

要は使い方次第ということですね。

また、僕らの感覚では、いくら何でも房を換えた方がいいのでは?と思っても「まだ、なんともない」という方もいます。

どのタイミングで修理したくなるかという、感覚的な個人差もあります。

修理の前に考えること

直したいのは、どんな念珠ですか?

修理の問い合わせの際、どのような念珠ですか?とおたずねすると、9割くらいの方が「普通の」と答えます。

実に面白いのは、たくさんの種類、形があるなかで、どの方も自分の持っている念珠が「普通」だと思っているんです。

もちろん、専門用語は出さなくても、どんな形か教えてください。

玉の大きさは何ミリくらいか、どんな素材で、どのように並んでいるのか。
どんな形の房が、何個付いているか・・

そのように、教えていただけたら、こちらも大体想像が付いてきます。
メールが使える場合は、写真を送っていただけると、さらに確実ですね。

直したい念珠の価値は?

今回修理したい念珠は自分で買ったものだという方はあまりいません。
仮にそうであっても、ずいぶん前のことで当時の値段は覚えていないことが多いです。

素材についての価値判断は、僕ら業者の方が積極的にするべきだと思っています。

みなさんにお訊きしたいのは、「貴方にとっての価値」です。

機会があったら買い換えてもいいものなのか、特別な想いがあって何があっても使い続けたいものなのか。

それは人それぞれで、「どうせ使わないけど、一応直しておきたい」という方もいますし、「命のように大事にしているものなので、なにとぞ・・」という方もいます。

その上で、買った方が安くても直すのか、とても良い材料なので直してつかいませんか、というご提案もできます。

原状復帰だけじゃない、念珠の修理

修理品をあずけたら、すぐに去ろうとしてしまう方もいるのですが、もう少しだけお付き合いください。

たとえば、今まで紫の房が付いていたからといって、必ずしもそれがベストとは限りません。好みで変えることもできます。

また、八宗用とよばれる一般的な二輪の形でも、少しの手間で各宗派の形に即した形に直せる事もあります。

お好みで、ポイントに別な石を足して、生まれ変わった念珠をお作りになる場合もあります。

このあたりについては、お客様ごとの事情を考慮して、ご提案しています。

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糸が切れそう・・房がくたびれてきた・・等、気になる部分が出てきたら、ぜひご相談ください。

普段しまい込んでいる方は、急に使う機会が来る前に、時々出してみてくださいね。