ミックス&ミックスのペア念珠

念珠の価値というのも時代とともにずいぶん嗜好が変わってきました。
もともとは、石や木などの天然材料で、すべての色見を合わせるということに大変苦労しましたので、「共仕立」とよばれる念珠のように、同じ素材一色でつくるものはとても高価でした。大量に仕入れた材料の中から色を合わせてピックアップする必要があったため、手間もかかり無駄も多かったからです。
ところが、材料のエハンスメントやトリートメントということが当たり前になり、色のそろった念珠というのは、定番になり、低価格化も進みました。なにより、「ありきたり」という印象の方が多いかもしれません。

そこで、近頃、多いご要望が、他素材をミックスした念珠です。
ある姉妹へお渡ししたいというご注文で、人柄や好みをお聞きしたところ、このような形で仕上がりました。服装好みや性格も明るめのお姉さんには、水晶系、オニキス系の天然石をカラフルにミックスしたものを、控えめでしっとり系の妹さんには黒檀、紫檀、生命樹など7種類ほどの木玉をミックスして、本水晶仕立てにしてあります。房はリクエストの通り、おそろいで藤色の松風房でお仕立てしました。

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こういう念珠の紹介をすると、ひとつづつ自分で思い通りにパーツを選んで作りたいという方もいらっしゃいます。もちろん、それも不可能というわけではありませんが、実用性、念珠としての良し悪し、ご予算等、大筋をはずさない範囲でというのは、かなりの知識と経験が必要です。たくさんのご要望は歓迎しますが、ある程度任せていただくと、きっと良いものに仕上がっていくと思いますので、オリジナルデザインで作りたいという方は、ぜひ参考になさってください。