人と人がお付き合いできるオンラインショップ

近頃うちの奥様がオンラインショップ店長担当してくれるということで、店長らしく商品情報を確認したり、リサーチや企画を練ったりと奮闘しています。
パソコンでポチポチ打ち込んでいくだけで、ものが売れると思うのは大間違いで、オンラインショップというのは実はリアルな実店舗と同じか、それ以上に手間がかかります。

例えば、ここ北海道江別市でもっと大々的に店舗展開した場合、寄ってくれる人も増えるでしょうし、近所の方の認知も上がるでしょう。しかしそれは、地域一番店の発想で、江別で誰が念珠屋さんをやろうと、東京や九州の人には関係のない話です。

ところが、ネットでものを売ろうと思ったら、それは一気に世界標準になるわけで、少なくとも日本語サイトである以上、日本一のお店でなければ選ばれる理由がありません。アパレルや日曜雑貨の世界から比べると、念珠を取り扱う業者というのは数える程度ではありますが、それでも、何十件も簡単に検索できますし、何百年も続く老舗や資本がたくさんある大手企業に勝たなければ商売になりません。

では、どうしたら勝てるか。ネット上の話にかかわらず、マーケティング業界やあらゆるコンサルタントでも必ず聞かれることがあります。それは「あなたの強みはなんですか?」ということです。

 

長岡念珠店ではここ数年、「はなす・つくる・てたわす」というテーマを上げています。小さい商売だからなんでも自分でやるのが当たり前と思ってきましたが、ふとあたりを見回すと、それは当たり前ではなかったのです。

食べるもの、着ているもの、住んでいる家、その他、家の中にあるものを見回してみてください。

どう仕上げたら良いか自分に合うように相談して、それを制作し、代金を支払って買う。この工程を、同じ人がすべてやっているものがあるでしょうか。多くのものは流通過程にたくさんの人がかかわっており、そのようにはなっていません。

うちは、品質にはもちろんこだわっていますが、それは後からの感想であって、実はお客様はそこでえらんでいるわけでないということに気づきました。購入までのやりとり、使用しての満足感、そしてその後のアフターケアも含めて、その繋がりすべてを含めて喜んでいただいていたのです。単に、間違いない念珠を納めたいという思いでやっていた身からすると、本当に目から鱗が落ちた思いです。

「はなす・つくる・てたわす」は、当初、直接お会いできる方をイメージしていました。でも、それはコミュニケーションの手段がメールでも、お渡しの方法が宅配便でも、その気持ちには変わりはないのです。

オンラインショップ一つとりあげても、大きな企業が何十人も人手をいれてやっていることを夫婦二人で賄っているのですから、今の世の中のスピードからすると、長岡念珠店のサイトはとてもじれったく見えるかもしれません。

それでも、声をかけてくれた方とじっくりお付き合いできる商売が自分には合っているし、どちらが儲かるかということを抜きにしても、そのようにしかやっていけないのだろうなと思っています。

おかげさまで、本当に忙しくなってきました。
でも、汚い字で失礼ではありますが、相手のことを思って一言ハガキか書ける、気持ちの余裕はいつまでも持っていたいなと思っています。

もう一度「はなす・つくる・てたわす」の原点に返り、オンラインショップもじっくりと成熟させていく所存です。