葬儀の数珠は、どう選ぶ?(女性編)
一般の方が、もっとも数珠を使う機会といえば、やはり葬儀でしょうか。
最初から何本も持つのは難しいもしれませんが、すでにお持ちの方は、葬儀用とそれ以外(宗派の各法要、お墓参り、寺院観光など)で使い分けるのがよろしいかと思います。
初めて購入されるかたは、葬儀で使うことを想定していることが多いです。その場合、どんな素材を選ぶべきかというお話をします。
実は、こういう話題はとてもデリケートで、正解の教科書がないのですが、参考にしていただければ幸いです。親戚やお付き合いのある住職さんなど身近な方にも相談してみてください。形になると宗派の問題もからみますので、ここでは素材の選び方についてだけ書くことにします。
正解がないというは、そもそも、念珠の素材に決まりがないので、葬儀に使うものだからと言っても、急にルールが増えるわけではありません。しかし、この辺が「無難(ぶなん)」という選び方はあります。
さて、まず葬儀ということは、悲しみの席ですからね。仏教の教えとは関係なく、派手過ぎたり、おめでたい雰囲気のものをあえて持つべきではないと考えます。
女性であれば、白系は無難と言えるでしょう。
たとえば、定番は本水晶(ほんすいしょう)です。
それに準ずる、ハリガラスやプラスチックも見た目には同じような存在になります。
または、房も白の方が地域性を考慮しても、無難オブ無難という感じはしますが、紫は高貴な色として定番になっています。

その他、白蝶貝(しろちょうがい)や白メノウなどもありますね。
白と言えば「なぜ、真珠(しんじゅ)と言わない?」と思った方がいるかもしれません。
ズバリいうわよ!(古っ・・)僕は真珠をお勧めしません。
喪服のネックレスやイヤリングは真珠ということになっていますが、それは西洋の喪服と一緒に入ってきた文化です。葬儀の念珠が真珠である理由はありません。
校量数珠功徳経(きょうりょうじゅずくどくきょう)によると、サンゴや真珠もそこそこ良いとは書かれていますが、それを根拠とするならば、菩提子(ぼだいし:ボダイジュの種)が最高と書かれているので、そちらを選ぶべきです。
真珠というのは、手でベタベタ触って良いはずがありません。揉むと玉同士がこすれて、すぐに表面がはがれてしまいます。汗にも弱いです。また、極細の糸しか通せないため、よく切れます。
そのため、念珠の素材としては向いていないのです。
それ以外だと、黒オニキスなどのダーク系の色合いも問題ないでしょう。

北海道の雰囲気では、ローズクォーツ等の薄ピンク系も、全く問題ありません。しかし、こうなってくると微妙なところで、地域によって、また家柄によっては、「赤っぽいもの」を避ける場合もあります。

ピンクサンゴのような淡い色も同じくOKだと思います。
下の写真は本物ではなく、サンゴ風の樹脂の玉です。

同じピンク系でも、インカローズのように色がきついものは、葬儀では避けたほうが良いかもしれません。
ダメという決まりはありませんが、軽くやっかみを言う親戚の叔母さんがいる可能性はあります。
あとは、葬儀の向き不向きではなく、年齢によっては「大人げない」と感じるという意見も多少はあります。
しかし、他人の数珠の色まで気にしているというひとは、本当に少数派ですので、近い親戚や家族でとくに面倒なタイプの方がいるわけでなければ、それほど気にするところではないと思います。

ちなみに、名古屋や金沢の近郊では、「葬儀では白い房」というのが習慣になっている地域もありますのでご注意ください。
いかがでしたでしょうか。素材や色、一つとっても、念珠選びはとても難しいですね。
今回ご紹介他にも、きっとお好みに合う選択肢はたくさんあります。
失敗したくないあなたは、お気軽にご相談くださいね。用途、お好み、ご予算などからいくつかピックアップしてご提案します。買うかどうか迷うのはそれからゆっくり悩んでください。
近頃は、なんでも女性が優先です。笑
次回は男性用について書きたいと思いますので、殿方はもうしばらくお待ちください。
追記:
男性用についての記事を投稿しました。こちらをご覧ください。
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