京都の人が欲しがるような念珠を作りたい

おかげさまでインターネットの力というのはすごいもので、こうして小さな商売をやっていても、世界中の皆さんに簡単にメッセージを送ることができます。(日本語ですが・・)

個人的に長岡念珠店を見つけて来てくださる方のほとんどは、ネット検索だったとお聞きします。先日いらっしゃったお客様は、ホームページやブログ、雑誌の取材動画なども見ていただいたそうで、その中で「京都の人が欲しがるような念珠を作りたい」と僕が言っていたことが決め手になったそうです。

4年ほど前でしょうか。今見ると子ども達がずいぶん小さいです。

確かに取材を受けてそう言ったのを覚えています。覚えていますというか、今でもそう思っています。実際のところ東京や九州、四国、そして近畿では大阪や奈良からもご相談を受けますが、残念ながら京都からのご注文は極々少数派です。

それもそのはず、京都には江戸時代から続くような老舗が並ぶ中、うちのような零細が入る隙もありません。

商売を始めた頃は、こちら北海道の方たちにさえ「今度京都に行ったときに買うから」という断り文句。これには、とても凹みました。念珠の出来など関係なく「京都」というブランドの前では振り向きもされなかったのです。

品質や価格といった、商品価値として当たり前の部分は京都に最低限負けないことだけでは見てもらえません。そして、プラスαとして、当店でしか手に入らない北海道産素材の開発、個人購入でも親身に対応する柔軟性、ご要望に合わせた「手間」のサービス、そういったものを少しずつですが実践してきました。


北海道内のお寺の境内よりいただいた胡桃

「鳴かぬなら・・・」どう振り替えっても、「鳴かせてみよう」の商売をしてきましたね。たぶんこれからもそのスタイルは変わりません。

今でも京都を目の敵にしているかというと、全然そうは思っていません。自分が変われたのではなく、お客様が変えてくれたのです。気付けばここ数年は「京都で買うから」なんて言われたことは一度もありません。僕が口説かなくても、お客様同士で「アンタ、こっちで買っといた方がいいんだよ!」なんて声を掛け合ってくれます。

まだまだ、やりたいことがたくさんあるんです。アイディアに時間と体が間に合っていないような状況です。皆さまには末永いお付き合いの中で、また長岡念珠店の新しいチャレンジを見守っていただけたら嬉しく思います。

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