琥珀(こはく)ってなに? 琥珀の数珠はお高い。

※(当ブログでは、念珠=数珠として書いています。文脈上の理由などから混在することがありますが、ご了承ください)

「琥珀(こはく)」とはどんなものかをお話ししましょう。

琥珀はお高い!

念珠で「一番高いのってなんですか?」という質問をよくうけるのですが、ある程度の供給ルートが確保できる範囲では、琥珀(こはく)が一番高いです。

余談になりますが、超高級な香木もあります。
沈香(じんこう)ならば、有るときはある。伽羅(きゃら)になると、1g数万円の世界ですが、僕も伽羅念珠の実物はみたことありません。

さて、琥珀に話を戻しますが、意外と「琥珀」ときいて、それが何者なのかピンとこない方も多いようです。

琥珀とは何か。

琥珀とは、天然樹脂が数千万年前かけて化石になったものです。

天然樹脂とは、松ヤニや漆のような植物だけでなく、動物の脂や鉱物でも存在します。
そういったものが化石になって琥珀となります。
古代の中国では虎が溶けて固まって、琥珀になると信じられていたんですね。それで、「琥」という字がはいると聞いたことがあります。


グラデーション状に並べられた男性向け琥珀念珠

コパールは、琥珀になりきれていない

コパールという年数が若いものもあり、こちらは琥珀と区別されています。
若いといっても1000万年以上は経っているとも言われています。

虫入り琥珀は要注意

皆さんの年代によっては、映画『ジュラシックパーク』で恐竜の時代の虫が入っていた琥珀を思い出すかもしれません。実際にはそこからDNAを採取する技術はないそうですけどね。しかし、本当に虫が入った琥珀というのは存在します。

本当に当時の虫入り琥珀はとんでもなく高価なものですが、現代になってから人工的に虫を入れて製造されているものも出回っています。偽物は虫の足が折れている、なんてことも聞いたことがありますが、真意のほどはわかりません。そもそも、足を折らずに虫を入れる技術がとっくにできているような気がします。いつの時代も偽物業者の技術はすごいです。

ここで一つ疑問に思いませんか。化石の中にどうやって虫を入れているか。
実は琥珀はもともと樹脂ですので、熱で溶かすことができます。一度溶かして虫を入れるのです。

琥珀になりきれていないコパールはさらに融点が低くて作業しやすいので、虫入り琥珀の偽物として、ずいぶん出回っているようです。購入を検討されている方はご注意くださいね。

琥珀の魅力

琥珀のモース硬度は2.5といいますから、人間の爪と同じ程度の堅さです。
実物を触っていただくとわかりますが、柔らかい感触があります。
この、なんとも手になじむ心地良さは、使っている人しかわかりません。

そして、小さな粒でも遥か昔の世界を閉じ込めた琥珀ですから、なんともロマンを感じます。


北海道産ミズナラの琥珀仕立(ポイントだけ琥珀)

琥珀のデメリット

購入が難しいです。天然、コパール、圧縮、プラスチックなど、似て非なるものがいろいろあります。
販売している業者も、琥珀の専門家ではなく、仕入れ先が琥珀といったら琥珀だと思って売っていることが多いです。(僕は性格が悪いので、あれこれ詮索したり鑑定実験をしたりします)
質の善し悪しどころか、プラスチックと琥珀の区別も慣れていないと結構難しいです。なれると触ればほぼわかりますが、簡単に鑑定する方法もいくつかあります。それはまた別の機会に、ご紹介します。

そしてもう一つ、柔らかいのは逆にデメリットでもあります。とても脆いです。
仕立ての際にも結構気をつかいます。
通常の使用では滅多なことはありませんが、なにかの拍子で房を急に引っ張ったり、堅い物の角にぶつけたりすると水晶などと比べると欠けたり、傷がついたりしやすいです。

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それでも、琥珀はいい物です。天然石のような派手さはありませんが、一生付き合っていける心地よさがあります。

恋人にするなら天然石、結婚するなら琥珀。・・わかりずらいか。苦笑
そんな、魅力ある琥珀の念珠、機会があればぜひお手にとってみてください。

琥珀については、さらにマニアックな話を次回は書こうと思っています。

長岡念珠店オンラインショップのこだわりの琥珀コーナーはこちらをご覧ください。どれも、稀少な1点ものです。一覧に無いものは、材料から探したり、お好みの房に組み替えることもできますので、お気軽にお問い合わせください。

当店オンラインショップ(琥珀念珠コーナー)
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琥珀に興味を持って頂いた方は、こちらの記事もご覧ください。

https://nagaokanenju.com/blog/archives/1672