日蓮宗型の修理

当店が承るお仕事で、意外と多いのが日蓮宗型の念珠の修理です。
日蓮系の宗派は沢山あるのですが、全国的にも割合でいうと多くはなく、北海道では曹洞宗や浄土真宗各派と比べるとかなり少ないと言えると思います。

ところが不思議なもので、宗派をお尋ねした時に、自信を持って答えていただくのは日蓮宗の方が多いです。同業者の間でも、「日蓮宗の方は熱心な方が多いよね」というお話をしていたことがあります。

日蓮宗は本式にこだわりますので、みなさんこの形を見慣れているかと思いますが、他宗の方から見るとなんとも珍しいのではないでしょうか。玉房が2個と3個に分かれています。

仕立てる手順でいうと、実は全宗派のなかで一番難しく、この形が作れると、他の形はすべて作れると言えるほど、仕立て技術の総集編となっているのです。

今でこそこうやって修理させていただいてますが、始めの頃は苦労したなぁ・・と。作るたびに思うことでした。

それにしても、このたびお預かりしたこちらの念珠、黒檀がみかん玉になっていてとてもかっこいいですね。