久しぶりに冷や汗のでる作業、荘灯芯の仕立て

ロウソクが一般的に普及する前の時代、燈明は菜種油などに芯を入れて火をつけていました。
浄土真宗本願寺派の場合は、今でも実際に火をつけるための短い芯を使いますが、大谷派では荘灯芯といって、御荘厳の道具として、輪灯や菊灯といった仏具に付けることがあります。

この度、作らせていただいたのは真宗三門徒派のお寺ですが、歴史的な背景から仏具はほぼ真宗大谷派と同じ形になります。天上から吊るした輪灯と呼ばれる金物仏具に白い輪が二つ、そして尾を垂らすように飾ります。

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脆くて柔らかいスポンジのようなもので、畳の材料となる藺草の芯を抜いて作るそうです。
おかげさまで僕も仏具を触って10数年になりますが、実は、この荘灯芯を自分で仕立てるという経験は初めてでした。飾る場所によっては適切な芯の量、輪の大きさが一番美しく見えるバランスがあります。御堂の仏具というのは実はバランスがかなり重要です。
また取り扱いが難しく、少し間違うとすぐにちぎれてしまいます。かなり苦労しましたが、何とか法要に間に合うように形になりました。この度、勉強させていただいたお寺様には大変感謝しております。おかげさまで、また一つスキルアップできました。

何事も経験ですね。扱い方の癖がわかったので、今度はもうちょっとスムーズにできそうです。