日蓮宗の数珠

「数珠」か「念珠」か

うちの会社名は「念珠店」ではありますが、この記事ではあえて「数珠」と書いてあります。
また、「数珠」か「珠数」かという問題もありますが、それについて詳しくは別な機会に書くことにします。

習慣的な問題ですが、日蓮宗では「数珠」と呼んでいることが多いかと思います。日蓮聖人の護身刀といえば、「数珠丸」が有名です。本人も両方使っていたようで「念珠」と書いたものもどこかにあったように記憶もあるのですが、定かではありません。知っている方がいたらご連絡頂ければ嬉しいです。

お店についても、京都や高野山にいくと「念珠店」が多いですが、見延では「数珠店」または「珠数店」が多くなると思います。

日蓮宗の話ではありませんが、身近な情報を集めて歴史考察をしてみたこともあります。ご興味がある方はこちらの記事もご覧ください。

なんと、親切に直々のご回答!

日蓮宗は、はっきりと配列が定められていますが、色やバランスなど何処まで許されるのでしょうか。

日蓮宗の数珠について、総本山である身延山久遠寺様に問い合わせたところ、関係機関である日蓮宗宗務院様よりお返事をいただきました。

質問の内容だけでなく、『日蓮宗辞典』よりの抜粋で、詳しい資料もいただき感謝しております。
念珠に関する資料が少ない他宗とは違い、結構詳しい記録も残っているようです。

鎌倉期より室町末期頃までのものは、現存する遺品等からみても現在とずいぶん形が違ったそうです。その後、実用的に改良がくわえられ、現在の形に至ったということです。

色柄については決まりはないものの、華美なものを競って選ぶような習慣はなさそうです。

発祥不明の独自スタイルも

日蓮聖人門下の分派は多岐にわたりますが、実は北海道のあるお寺で、独特の変形型を使っているというお話を聞きました。そのルーツを知りたかったのですが、日蓮宗としては、配列が違うパターンはなく、修法師がご祈祷の時に房の長いものを使うことぐらいしかないようです。

聞いたお話だけなので実物を見てはいないのですが、数取り玉10個の位置が、一般的な法華型とはちがうようなのです。北海道開拓以降、何かのきっかけでリージョナルスタイルができたのかもしれません。

日蓮宗の人は、迷わず日蓮宗型を持つべし

ちなみに、一般の日蓮宗檀信徒に関しては、日蓮宗檀信徒用勤行数珠(詳しくはお問い合わせください)を推奨しています。

その他の略式や一輪の念珠は推奨しないという回答でした。葬儀については他宗派の型が集まる場合もありますが、日蓮宗のお寺の行事では、まず略式や他宗派型をみかけることはないそうです。(地域性もあるかもしれません)

いずれにしても他宗よりも、本式へのこだわりが感じられるため、日蓮宗の方はぜひご参考になさってください。

摺り合わせる?

昔はけっこう、日蓮宗でも数珠を擦り合わせてジャラジャラと音を鳴らす人がいました。こ

れは密教の修法や山伏修験の作法に始まることで、日蓮宗としては間違いと聞いたことがありました。

しかし資料には、「摺り合わることはしない」と明記してはおらず「常には用いない」と記述されていました。身近なお寺におたずねしてみたところ、お勤め中、お経がずれたときなど、合図をするために鳴らしたりするそうです。そのほかにも、現場では多少摺り鳴らすこともあるかもしれません。

まさに、「常に非ず」の時に鳴らすことものあるのですね。こういう「隠」の部分というのは本だけではわからないことが多く、とても面白いと感じます。

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